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代表派遣会議出席報告
1 名 称  第10回IAC理事会
2 会 期 2010年3月21日~22日
3 会議出席者名  唐木英明副会長、塚原東吾連携会員(若手アカデミー委員会委員)
4 会議概要

 会議構成:
  3月21日 (日)  会議初日の部
  3月22日 (月)   IAC理事会
 会議議事要旨:  

3月21日(日)  
IAC理事会開催場所であるオランダ王立アカデミー会長ロバート・ダイクラフ(Robbert Dijkgraaf)氏からの歓迎の言葉に続き、共同議長挨拶、理事メンバー自己紹介が行われた。   

3月22日(月)
(1)  8:30~13:00
・ 今回のアジェンダの提案、年次報告が行われ、前回のIAC理事会議事録と共に、いずれも承認された。
・ 関係国際団体(IAP、IAMP、CAETS)による活動報告が行われ、関連団体との今後の協力体制についても論議が行われた。
・ 本年4月6~8日にカナダ(オタワ)にて開催予定のG8学術会議(G8+5 Academies’ Meeting)についての説明が行われた。
・ IACプロジェクト「水資源」について、本年2月21~23日に行われた組織委員会についての報告に続いてIAC理事メンバー内での議論が行われ、本プロジェクトの立上げについて理事会の承認が得られた。
・ IACアドバイサリー・ポリシー・レポートの年次報告が行われ、新規IACレポートいついての提案が行われ、原案が承認された。具体案は今後提示される予定。
(2)  14:00~17:30
・ IACに対する、国連からのIPCCレビューについての説明が共同議長等から説明があり、IAC理事会内でIPCCレビュー・ボードについての案が論議され、ボード・メンバーについての募集案等が決められた。
・ IACプロジェクト「感染症についてのグローバル・サベイランス」についての報告があり、IAC理事メンバーによる議論が行われ、IAMP等関連機関と共同で進めることが可能であること、及び資金調達が重要となることが論議され、原案が承認された。
・ IAC財務委員会代表より、IAC財務報告が行われ、内容が承認された。

 今回のトピックス:
 ・ G8学術会議(G8+5 Academies’ Meeting)について
   - カナダ・アカデミー(The Royal Society of Canada)の代表者の1人でもあるハワード・アルパー氏より以下の説明があった。グレンイーグルスサミット時に立ち上がった本会合及び活動について5年を超えた本年は、カナダにおいてG8サミットに引き続きG20が開催されることもあり、これまでと事情が変わってきた。4月初めにオタワにて予定されるG8+アカデミー会合においては、「Health of Women and Children」及び「Innovation for Development」がテーマになる。また、今回は、発展途上国におけるScience Education についてIAPプログラムを中心となって進めているチリや、類似の活動をアフリカで行っている専門家等をG8+アカデミー会合に招待する予定である。
   - IAC理事メンバーからは、アカデミーがG20に対しても提言を行う必要があるのではないかという声があがる一方で、グレンイーグルスサミットでは「気候変動」についての科学アカデミーの声明が大きな意味を持っていたが、現在は当時とは事情が違い、科学アカデミーの声明が必ずしも大きな貢献にならない場合も出てきていると指摘するアカデミーもあり、G8+アカデミー活動を考え直す節目に来ているという提案もあったが、次回のG8サミット開催国であるフランスのアカデミーから、来年はこれまで通り行いたいという意見があり、了承された。
 ・ IPCCレビュー・ボードについて
  - IAC共同議長より、国連からの依頼について、これまでの経緯を含めた説明があった後、メンバー構成や、今後のスケジュールについてのIAC案が、IAC事務局長のジョン・キャンベル氏から説明された。
  - その後、テレビ電話により会議に参加した米国科学アカデミー会長のラルフ・シセローン氏を中心に、オーストラリア・アカデミー会長のカーク・ランベック氏、英国王立協会のステフェン・コックス氏等も含め、メンバー構成について、IAC理事の間で論議された。
 その他:
 ・ 若手アカデミー関連の情報
3月21日(日)会議初日の部において、トルコ科学アカデミー(Turkish Academy of Sciences) 副会長Prof. Dr. Trank Celik(専門分野:Theoretical Physics 理論物理学)と、若手アカデミーに関連する意見交換及び情報交換を行った。特に先方から得られた情報の概要は以下のとおり:

 ・ 若手アカデミーについては、ALLEA(全欧アカデミー:All European Academies)、オランダ・アカデミー、ドイツ・レオポルディーナ、オーストリア・アカデミー、そしてトルコ・アカデミーが若手アカデミーの組織を持っており、関連する活動を行っている。
 ・ 2010年3月26日~28日に予定しているアンタレア(Antalya) で開催予定の若手アカデミーワークショップでは、ALLEAにおける若手アカデミーの活動の一環であり、これまで、昨年のウイーンWS、11月のオランダWS、本年2月のマドリッドWS、そして今回のアンタレアと続く。ブレイン・ストーミングタイプのWSは、ウイーンに続いて二度目の試みとなり、ALLEA Young AcademyのConstitutionを作り、設立時のメンバーを決定する予定。
 ・ トルコの若手アカデミーは、①Young Academyメンバー(PhD取得者、37歳まで、221名)、②Academy Associate Member(45歳まで、3年の任期を3度まで務めることができる)、③Full Member(70歳まで)、④Senior Member、というメンバー構成を持つトルコア科学カデミーの中にあり、②の候補者(①になるには3名の推薦者が必要。②は選挙権を持つが、会長に立候補できない)という位置づけである。若手アカデミーの設立は2001年であり、2004年にはオランダの担当大臣がこちらの若手アカデミーの視察に訪れている。活動費用として、この3年間は、1000(ユーロー)/月を与えている。金曜日~日曜日に大学に集まり(③のFull memberがメンターとして参加する)、WSを開催する。若手はプレゼンを行うこととなっており、分野横型の新プロジェクトが生まれてくる。 (参考情報)トルコ科学アカデミーでは、女性の比率(③のFull Memberが37%と、非常に高い値であるのが特徴の一つである。他の欧州の国々のアカデミーでは女性比率は5%程度。


IAC理事会風景

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