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代表派遣会議出席報告
1 会議概要
1)名 称 (和文)第45回IUPAC 総会
      (英文)45th IUPAC General Assembly
2)会 期  2009年 7月30日?8月6日(8日間)
3)会議出席者名 長谷川美貴
4)会議開催地 グラスゴー(英国)
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者数) 55カ国、330名参加(うち日本人10名)
6)会議内容
  ・日程及び会議の主な議題

○ 7月30日 Young ObserverのためのWelcome lecture (Young Observer Briefing)  IUPACのGeneral Assemblyに参加する若手化学者に対し、「IUPACとは」と題するレクチャーが行われた。
○ 7月31日および8月1日 Division Meeting  各学術分野(Division)におけるそれぞれの懸案課題を議論した。IUPACとしての発信あるいは議論において必要な他のDivisionとの連携についても話し合われた。無機化学の会議のメンバーとしてInorganic Chemistry Divisionの会議に二日間出席し議論に参加した。このDivisionのSubcommittee であるMaterials Chemistryの会議にも参加した。
○ 8月2日および3日  化学教育関連の会議に招待を受け、3つの会議に出席した。(Committee of Chemistry Education, Committee of International Year of Chemistry, and Council Round Table Meeting of Increase interest of young people in chemistry)
(1)この2年間のCCEの国際活動の報告(YAC(Young Ambassador of Chemistry)プログラム等)。
(2)2011年国際化学年におけるIUAPCの活動に関わる議論。
(3)高校教師のスキルアップのためのプログラムに関わる議論。
○ 8月5日および6日 Council MeetingにDelegateとして二日間出席した。30以上のAgendaについて報告、承認、選挙等が行われた。なお、開会では、日本の黒田玲子先生からInternational Council of Scienceを代表してGreetingがあった。主なトピックスは、次にまとめる。
(1) IUPAC副会長の選挙がおこなわれ、2010年1月から日本の巽和行先生が副会長になることが決定した。
(2) 各Divisionからの問題提起と認証。
(3) 各会議・事務局や諸活動の概要説明と協議事項の承認。
(4) International Year of Chemistry 2011のためのプロジェクト説明と承認。
(5) 次回以降のIUPAC General AssemblyおよびCongressの開催地からの通達、および2015年までの開催国の決定(2011 年 プエルトリコ、2013年 トルコ、2015年 韓国)。  

  ・会議における審議内容・成果: 
  今回、9日間のスケジュールで7種の会議にYoung Observerとして出席した。General Assemblyでの会合にむけ、あらかじめ十分な調査が行われていたこともあり、いずれも審議では大きな混乱はなかった。2011年のInternational Year of Chemistryについてはどの会議でも議題あるいは話題となり、Academicだけにとどまらず、社会における化学の一層の理解向上にIUPAC諸委員全員が目を向け、意識するきっかけとなったことは大きな成果の一つではないかと思う。
  ・会議において日本が果たした役割:
  今回、Young Observerとして初めて参加したため、私自身が「日本代表として」何かを遂行することはできない立場である。ただし、先に報告した、巽先生の副会長就任は今後何らかの影響を及ぼすものと思われる。

2.会議の模様

  詳細な状況:
○Young Observer Briefing:IUPACのホームページ上で掲載されている “What is IUPAC?”の詳細なレクチャー。同じくIUPACへの参加がYoung Observerが出発点だったという5名のBureauメンバーからの激励もあった。 ○Inorganic Chemistry Divisionに関する会議:今回、無機化学Divisionでの専門的議事として、新しい元素の命名に関わる議論および原子量に関わる議論があった。また、International Year of Chemistryでの無機化学Divisionからの提案についても話し合われた。次回の本Divisionの委員会は2010年に行われる予定である。
○Chemistry Educationに関する会議:かねてより、幼少あるいは初等教育期からサイエンスへの興味をいかに持たせるかということに興味があったため、そのような視点で化学教育関係の会議に臨んだ。参加人数、参加国数も非常に多く、UNISEFの参加もあり非常に多岐にわたる思考が必用な部門であることがうかがわれた。たとえば、インターネットが通じない学校がまだ世界にたくさんあるため、それらも考慮したInternational Year of Chemistryの展開を考える必要がある、など(UNISEFの助言より)。また、各国の歴史的背景、地理などによっても教育に大きな違いがあることを改めて認識することができる会議であった。2010年に台湾でIUPAC Chemistry Education国際会議が行われる予定である。
○Council Meeting:各国のDelegateが集い、厳かな雰囲気のなか会議が進められた。特に大きな問題もなく、議事進行はスムースにすすんだ。50項目を超えるAgendaがあった。各分野別のDivisionからの報告と今後の課題が挙げられた。また、2010年国際化学年に向けた種々の活動準備について提案、承認がなされた。次期、副会長の選挙では巽和行先生が選ばれた。2015年のIUPAC General AssemblyおよびCongressの開催が韓国ソウルに決定した。

  次回開催予定
   2011年7月30日から8月7日(プエルトリコ)
                            

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