平成19年10月22日 |
日本学術会議が加入している国際学術団体のひとつであるインターアカデミーカウンシル(IAC:
InterAcademy Council)は、
「持続可能なエネルギー:未来への指針-"Lighting
the Way: Toward a Sustainable Energy Future"」と題する報告書を取りまとめ、本日公表しました。
日本学術会議は、会員がスタディパネルのメンバーとして検討に参画するとともに、昨年12月にはスタディパネルメンバーや我が国の専門家が参加したIACエネルギーワークショップを東京にて主催し、本報告の取りまとめに寄与しています。
IACは15名の専門家によるスタディパネルを設置し、エネルギー問題に関して人類が直面する以下の課題について検討を行いました。
・ 貧しい人々にも電気やクリーンな燃料を提供するためにはどうしたらよいか?
・ 大気汚染や地球温暖化に対処するために必要なエネルギー技術は何か?
・ 化石エネルギー資源の供給を安定化するために何をすべきか?
スタディパネルがとりまとめたこの報告書は、これら課題の解決の手がかりとして以下の提言を示しています。
・ エネルギー効率向上、炭素排出に対する価格指標の設定、炭素回収・隔離及び再生可能エネルギーの普及、原子力に関する課題の整理を
含めた持続可能なエネルギーシステムへの移行の道筋
・ 移行を支援するための政策的、財政的要件
・ 研究・開発・実証の優先順位とその実現のために求められる政治的・知的・財政的投資
日本学術会議は、持続可能な社会の実現に向けた取組みとして、本年3月に対外報告「地球温暖化とエネルギー - 持続可能な社会に向けた衡平な負担 -」を公表するとともに、現在、「水・食糧と持続可能な社会委員会」、「地球温暖化等、人間活動に起因する地球環境問題に関する検討委員会」において精力的に審議を行っております。
引き続き、国際的な学術団体や国連機関とも緊密に連携し、この問題を含め、世界的な諸課題の解決に向けて積極的に貢献してまいります。 |
日本学術会議会長 金澤 一郎 |
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【問い合わせ先】 |
日本学術会議事務局企画課広報係 | 電話 : 03-3403-1906(直通) |
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