公開シンポジウム「分野を越え海を越える昆虫科学」

 一般の方々にとって昆虫科学とは「昆虫の同定や分類を行う学問」や「昆虫を駆除するための学問」であり、その広範さには目が行き渡りづらいのが現状である。 この状況を打破し、昆虫を対象として生物の多様性と共通性の理解に貢献する昆虫科学の広範さを周知する機会として、シンポジウム「分野を越え海を越える昆虫科学」を提案したい。
 本シンポジウムは大きく4つのセクションからなり、まず日本学術会議農学委員会応用昆虫学分科会及び日本昆虫科学連合の活動報告を行う。 次に学術講演の第Ⅰ部では「分野を越える」と銘打ち、異分野の融合による新しい昆虫科学分野を紹介する。 続く学術講演の第Ⅱ部では「海を越える」と銘打ち、南極から熱帯まで海外に生息する昆虫について研究が活発に実施されていることを広く知っていただく。 最後に、これら学術講演の第Ⅰ部と第Ⅱ部に併せて、44年ぶりに日本で開催される第27回国際昆虫学会議(ICE2024 Kyoto、2024年8月25~30日)の魅力をお伝えする。 なお、この会議は日本学術会議が日本昆虫科学連合と共同主催する。 この国際会議は、英語で行われることとなり、参加することはハードルが高いが、そのような国際会議で取り扱う内容について日本語で広く紹介することは公益に資すると思料される。 国際会議では専門家により最先端の研究発表が日々展開されるが、人々にとって身近な昆虫たちの魅力や凄さを分かり易く解説する市民プログラムなど、多くのイベントも計画されている。 この内容について紹介し、上記の学術講演を包括した総合討論を経て、多くの方々に昆虫科学の広範さを知っていただく機会としたい。

イベント概要

開催日時 令和6年(2024年)3月30日(土)15:15~18:15
開催地 仙台国際センター大ホール(仙台市青葉区青葉山)(ハイブリッド開催)
対象 どなたでも無料で参加いただけます。(要事前登録)
プログラム
総合司会:徳田 誠(佐賀大学)
開会の挨拶(15:15~15:20)
堀 雅敏(日本昆虫学会・日本応用動物昆虫学会合同大会会長、東北大学)
活動報告(15:20~15:40)
日本学術会議農学委員会応用昆虫学分科会の活動
小野 正人(第24・25期分科会委員長、日本学術会議連携会員、玉川大学)
日本昆虫科学連合の活動
阿部 芳久(連合副代表、日本学術会議連携会員、九州大学)
学術講演Ⅰ「分野を越える」(15:40~16:30)
座長:池田 素子(日本学術会議連携会員、名古屋大学)
講演1「衛星から森林害虫マイマイガの大発生を探る」
山下 恵(東京農工大学)
講演2「虫こぶ:植物ソース器官からシンク器官への転換」
武田 征士(京都府立大学)
休憩(16:30~16:40)
学術講演Ⅱ「海を越える」(16:40~17:30)
座長:高須賀 圭三(慶應義塾大学)
講演1「南極で昆虫採集:ナンキョクユスリカの生きるしくみ」
後藤 慎介(大阪公立大学)
講演2「ボルネオ島の熱帯雨林における昆虫と植物の相互作用」
清水 加耶(島根大学)
第27回国際昆虫学会議(ICE2024 Kyoto)[2024年8月、京都]の紹介(17:30~18:00)
座長:井上 真紀(東京農工大学)
講演1「ICE2024 Kyoto-知の統合による新たな発見」
志賀 向子(日本学術会議連携会員、大阪大学)
講演2「ICE2024一般向けイベントの紹介」
吉村 真由美(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)
総合討論(18:00~18:10)
座長:池田 素子
閉会の挨拶(18:10~18:15)
小野 正人
 申込み 対面・オンライン参加いずれもポスターのQRコードから事前登録をお願いします。
QRコードが使えない場合は、「日本昆虫科学連合」の ウェブサイトからお申し込みください。
「日本昆虫科学連合」の ウェブサイトへのリンク
申込期間:2月22日(木)~3月24日(日) (予定)
オンライン参加の登録は先着1,000名まで
 問い合わせ 日本昆虫科学連合事務局
E-mail: contact*insect-sciences2.sakura.ne.jp(*を@にしてください)
備考 共同主催:日本学術会議農学委員会応用昆虫学分科会、日本昆虫科学連合、一般社団法人日本昆虫学会、一般社団法人日本応用動物昆虫学会