市民公開講座「MASCC/JASCC 2023市民公開講座」患者さんを支えるがん医療の温故知新

 国際がんサポーティブケア学会は、がん治療に伴う苦痛を和らげる治療を研究する医療者や研究者たちが約30年前に立ち上げた組織です。苦痛は身体面のみならず心理面、社会面(仕事の継続問題とか、経済的な問題とか、社会的立場が変化するとか)や、もっと深い自身の存在価値に関する不安なども含みます。これまで、がんは消滅させるためや縮小させるための治療や診断に多大なる精力が注がれてきましたが、サポーティブケアはどちらかというと二の次になっていたかもしれません。そこをあえて取り上げる本学会は、7年前の日本がんサポーティブケア学会の発足に繋がり、また世界70か国以上に参加者を増やしてまいりました。毎年一度会員が一堂に会して研究発表をする本学会は、これまで主に北米と欧州を交互にその開催地としてきましたが、今回初めてアジアに進出することになり、その記念すべき大会に古都奈良の地が選ばれました。お招きするホストとしては、東京の順天堂大学チームが任された関係上、奈良と東京の地を結んで、市民の皆さまにもその研究の一端をお知らせしたく、このような公開講座を最終日に開催することに致しました。苦痛を和らげる第一歩は、医療者との信頼関係構築ではないでしょうか。最初のお話は、医療安全の領域で第一人者でいらっしゃる上田先生に、医療を安全に行うためには医療者と患者さんとの協力関係が重要であること、患者支援団体の桜井さんからは、研究にも医療者と患者さんの協働が必要なこと、そしてファイナンシャルプランナーの辻本さんには、患者さんが知識として持つべき医療経済の話がある予定です。いずれも、皆さんにとって医療は、サポートされるだけの受け身のサービスでなく、医療者と積極的に協力体制を築いて協働作業で最大効果を上げていくという、大切なライフ(命、生活、人生)のプランナー、そして主役として、医療の賢い消費者になるためのノウハウを知って頂くことを目的として企画しました。総合討論もご用意しましたので、どうぞ積極的なご参加をお待ち申し上げております。

イベント概要

開催日時 令和5年(2023年)6月25日(日曜日)13:00~15:00
開催地 東大寺金鐘ホール(奈良)、順天堂大学小川記念講堂(東京)の同時開催
現地開催のみで、両会場は中継で交信しながら行います
(オンライン配信はありません)
対象 どなたでも参加いただけます
定員 事前登録制で、奈良は300名、東京は500名まで
プログラム
人は誰でも間違える -医療をよくするために患者にできること- 
上田 裕一(地方独立行政法人 奈良県立病院機構 理事長)
東京からの講演
がん支持医療への市民参画
桜井なおみ(一般社団法人CRSプロジェクト 代表理事)
奈良からの講演
意外と知らない支援制度の活用
辻本 由香(つじもとFP事務所 代表)
奈良と東京を結んでの総合討論
ディスカッサント:すべての演者+参加者
司会 : 東 光久(奈良県総合医療センター総合診療科部長/臨床研修医支援室室長)
   齊藤 光江(順天堂大学乳腺腫瘍学講座教授/第8回JASCC大会長)
閉会の辞
渡邊 清高(帝京大学医学部内科学講座腫瘍内科 病院教授/第9回日本がんサポーティブケア学会学術集会会長)
 申込方法 参加費無料・要事前申込
以下のリンク先にある申込フォームより登録
申込フォームへのリンク
 問い合わせ メールアドレス:breast-office*juntendo.ac.jp (送信の際には*を@ に変えてください)
備考 主催:日本がんサポーティブケア学会(JASCC)、国際がんサポーティブケア学会(MASCC)
共催:患者にやさしいがん医療サイエンス(ISPACOS)、順天堂大学医学部、日本学術会議