公開シンポジウム「那須地域から考える20年後の日本社会-共領域におけるイノベーション創出と地方創生-」

 イノベーション創出と地方創生は日本社会における喫緊の課題である。若手アカデミーでは、「20年後の科学・学術と社会を見据えたリモデリング戦略を考える」というヴィジョンを持ち、イノベーション創出や地方創生をミッションの一つとしている。イノベーションに向けた社会連携分科会では、イノベーションが起きづらい背景の一つとして領域ごとの縦割り文化があると考えている。また、地域活性化に向けた社会連携分科会では、地方創生にはイノベーションが必要であると考え、イノベーションが地域に浸透する方略について議論を行ってきた。都心から新幹線で約1時間、広大な高原自然に恵まれた栃木県那須地域にある「ナスコンバレー」は、21世紀型社会に求められるソリューション(エコシステム、サービス、製品)の共創・実証実験・社会実装の場を提供し、社会・社会人・市民を中心に、未来社会の現実解となるソリューションを共創していく国内最大規模のリビングラボで、各領域を越境する人材(インタープレナー)が集い、様々な取組が展開される「共領域」となっている。広大な実証フィールドを活用し、ドローンの社会実装を進めるための活動や、次世代ハウジング(新コンセプトの住まい)、Well-being(幸福度の高い地域社会、コミュニティのモデルづくり)を進める活動等を行っている。また、ナスコンバレーでの取組は、那須地域が抱える社会課題(経済・産業の衰退、情報発信不足、少子化、人口流出等)をも解決し地方創生に資する活動となっている。那須地域の社会課題は当該地域固有のものではなく、現在の日本社会が抱える課題に通ずる構造を持っており、インタープレナーがナスコンバレーで行う課題解決への取組は、日本社会の課題解決について多くの示唆をもたらすと考えられる。本シンポジウムでは、那須地域が抱える課題を解決するために展開されているナスコンバレーでの取組を紹介し、イノベーション創出と地方創生に取り組む方、さらには、これらの取組をより広い視野でとらえるために専門家を招いて、那須地域、広くは20年後の日本社会についてフロアと共に議論する。これにより、イノベーション創出と地方創生を行うための手がかりを得る。

イベント概要

開催日時 2022/9/5(月)14:00~17:00
開催地 那須ハイランドパーク イベント館(栃木県那須郡那須町高久乙3375)
対象 どなたでも参加いただけます
プログラム
司会 髙瀨 堅吉(日本学術会議連携会員、若手アカデミー会員、中央大学大学院文学研究科心理学専攻教授)
14:00 開会の挨拶と趣旨説明
加藤 千尋(日本学術会議連携会員、若手アカデミー会員、弘前大学農学生命科学部准教授)
14:10 

第1部 話題提供(各10~20分)

那須地域概略説明
八木澤 玲玖(株式会社那須旅代表取締役社長)
ナスコンバレーでの取組①
留目 真伸(一般社団法人ナスコンバレー協議会理事、SUNDRE株式会社代表取締役)
ナスコンバレーでの取組②
井上 高志(一般社団法人ナスコンバレー協議会代表理事、株式会社LIFULL代表取締役社長)
イノベーション人材の育成はどのように果たされるか-形骸化したルールと人材多様性について考える-
木村 草太(日本学術会議特任連携会員、若手アカデミー会員、東京都立大学法学部教授)
地方創生はどのように果たされるか
小野 悠(日本学術会議連携会員、若手アカデミー幹事、豊橋技術科学大学大学院工学研究科准教授)
15:30 休憩
15:50 

第2部 パネルディスカッション

ファシリテーター
寺田 佐恵子(日本学術会議連携会員、若手アカデミー会員、玉川大学リベラルアーツ学部講師)
パネリスト
第1部話題提供者
柿沼 緑(日本放送協会) ほか
16:50 閉会の挨拶
岩崎 渉(日本学術会議連携会員、若手アカデミー代表、東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻教授)
 申込み 参加費無料・予約不要
 問い合わせ 公開シンポジウム事務局
tksknkch (a)yahoo.co.jp
(a) を@に変更してください。
備考 主催:日本学術会議若手アカデミー、若手アカデミーイノベーションに向けた社会連携分科会、若手アカデミー地域活性化に向けた社会連携分科会
共催:一般社団法人ナスコンバレー協議会