公開シンポジウム「コロナ時代におけるフィールドワーク教育をめぐって」

世界保健機関によって、Covid 19 感染症(以下、コロナ)がパンデミックと認定された後、我が国でも緊急事態宣言が出されるなど、社会生活に大きな変化をもたらした。多くの研究者が働く場である大学は2020 年度前期の授業を全面的にオンライン化するなど、教育研究にもコロナ禍は影響を与えている。本シンポジウムでは、大学の文化人類学及び関連分野の研究者が直面している問題の一つとして、フィールドワーク教育を今後どう行っていくか、について検討する。海外はもとより国内の移動も制限された状況のなかで、例えば学部生向けのフィールドワーク実習は根本的な変更が余儀なくされている。大学院教育においても、フィールドワークによる調査の意義を再考しなければ、学位論文を執筆する院生への助言がままならない事態になっている。こうした現実に対応せざるをえない諸問題について様々な立場からの意見交換をすることで、今後の人類学フィールドワーク教育のあり方を展望したい。

イベント概要

日時 2020/9/19(土)13:00-15:00
開催地 オンライン開催
対象 どなたでも参加していただけます
定員 300名(先着順)
プログラム
開会挨拶
山極壽一(日本学術会議会長、京都大学総長)
趣旨説明
高倉浩樹(日本学術会議第一部会員、東北大学東北アジア研究センター教授)
1.学部教育・大学院教育への影響と対応
上杉富之(日本学術会議連携会員、成城大学文芸学部教授)
「学部におけるフィールドワーク教育の再構築:成城大学の「実習」の事例から」
丸山淳子(日本学術会議連携会員、津田塾大学学芸学部准教授)
「ひとりひとりと向き合う:コロナ禍の学部におけるフィールドワーク教育の困難と可能性」
安井眞奈美(日本学術会議連携会員、国際日本文化研究センター教授)
「コロナ禍の日本におけるフィールドワークの難しさ」

司会 窪田幸子(日本学術会議第一部会員、神戸大学大学院国際文化研究科教授)
2.フィールドワークを重視しない人類学教育はありうるのか?
曽我亨(日本学術会議連携会員、弘前大学人文社会科学部教授)
「コロナ時代にフィールドワークをどう教えるか」
野林厚志(日本学術会議連携会員、国立民族学博物館教授)
「人類学教育の資源としての民族誌データベース・アーカイブス」
飯田玲子(日本文化人類学会会員、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科特定助教)
「コロナと「私」の民族誌にむけて」

司会 高倉浩樹(同上)
 申込み 参加申し込みフォーム
参加無料・〆切は9月13日午後5時(最大300名)
当日はYoutubeで同時公開 >>公開先リンク
 問い合わせ 東北大学東北アジア研究センター(高倉浩樹)(022-795-6009 事務室)
備考 主催:日本学術会議地域研究委員会文化人類学分科会
共催:日本文化人類学会、日本学術会議統合生物学委員会自然人類学分科会、日本学術会議地域研究委員会地域研究基盤強化分科会
後援:日本人類学会