特集 提言「未来の学術振興構想(2023年版)」

 日本学術会議では、今後20~30年頃まで先を見通した学術振興の「グランドビジョン」を示すために、新たに提言「未来の学術振興構想(2023年版)」を策定しました。
 本提言は、専門的な知見に根差した今後20~30年まで先を見据えた学術振興の「ビジョン」と、その実現のために今後10年程度で実現することが必要な「学術研究構想」から成る「学術の中長期研究戦略」の提案に立脚しています。「学術の中長期研究戦略」の公募に当たっては、科学者コミュニティから自由な発想に基づくボトムアップを重視し、研究・教育機関、学協会、日本学術会議会員・連携会員及び若手研究者から広く提案をいただきました。
 本提言において示した19の「グランドビジョン」の策定に当たっては、科学者コミュニティから提案された各「ビジョン」を、単純に束ねるだけではなく、さらに一段階高い分野横断的な視点から検討を加えて、「グランドビジョン」として策定しています。
 本ページでは、「未来の学術振興構想」として提言する19の「グランドビジョン」の概要を紹介します。
 本提言が、我が国の多様な学術振興の指針となるとともに、学術政策、さらに、関係省庁、大学を始めとする研究教育機関等における具体的施策や予算措置に活かされること期待します。

(科学者委員会学術研究振興分科会委員長 光石 衛)

「未来の学術振興構想(2023年版)」のグランドビジョン一覧

各グランドビジョンの概要


図 現代社会問題解決策提示のメカニズム
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:共同体の疲弊やコミュニケーション障害等に伴い生じている現代社会の諸問題に対して、言語・コミュニケーションに関する人文科学の研究を充実させ、それらの成果を踏まえつつ、社会科学の方法によってデータを因果的に解析することで、原因と結果との関係を明確化し、包括的かつ実効性のある解決策を提示する。人々の共生の必要性を再確認しつつ、「誰一人置き去りにしない」世界の実現を目指す。

キーワード:言語、コミュニケーション、共同体、データ・因果解析

グランドビジョン①の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 融合的・総合的な学術の新たな形
(出典)本小委員会にて作成
概要:長い時間軸、大きな空間軸、多様な視点で自然環境、人類、文化、社会を捉える。新たな技術、データ処理基盤、ネットワーク体制を構築・活用し、学術の多分野が連携し、広く社会に開かれた融合的・総合的な学術の新たな形を目指す。

キーワード:人類史、グローバル、共生、共創、デジタル・トランスフォーメーション(DX)、ネットワーク、総合知、持続可能性

グランドビジョン②の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 文系諸学の今後の発展
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:歴史学と日本文化に着目しつつ、グローバルな位置付けを明らかにし、特定国の文化を理解し相対化することで価値・理念の普遍性を見出していく。歴史を語るデータの偏りを意識し、英語・日本語以外の多言語史料も参照し、グローバルな視点からの相対的位置付けを明確化することで、日本の文系諸学をボトムアップする。

キーワード:グローバルヒストリー、歴史学史、日本文化、多言語史料

グランドビジョン③の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 地球の生命環境と食料供給を持続させるための総合的研究とストラテジー構築
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:植物の頑健な成長力や環境可変能力の基盤を集中的に研究し、未利用植物の遺伝的能力にも着目する。微生物、動物、人間活動等も含めて、生命や生態系が持つ潜在能力を総合的に分析する。これらにより、持続可能な地球環境と環境変容に適応した持続可能な食料供給システムのストラテジー構築を目指す。

キーワード:気候変動、サステナビリティ、植物の能力、生命系の統合理解、データサイエンス、脱炭素社会

グランドビジョン④の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 生命現象の包括的理解による真のWell-beingの創出
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:ヒトと動物のボーダレスな健康維持に向けて、それらの生命現象を網羅的、かつ、包括的に解明し、その成果を保健・医療へと展開する。さらには、ヒトを含めて生物全体が本来の生を営んでいるかを探求するための知の統合により、すべての生物が幸福に生き得る、真のWell-beingの創出を目指す。

キーワード:生命科学、健康、医療、創薬、ワンヘルス、マルチオミクス、デジタルツイン、オープンサイエンス

グランドビジョン⑤の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」

No. 学術の中長期研究戦略の名称
24 「いのち彩る医療」を実現するバイオマテリアル界面科学の構築 (PDF:1,327KB)pdf
25 健康・幸福寿命の延伸に資するスマート歯科医学・歯科医療の実現 (PDF:280KB)pdf
26 グライコームを起点とする生命科学ビッグバン (PDF:534KB)pdf
27 健康寿命延伸・QOL向上のためのICT人工臓器研究開発の進展 (PDF:370KB)pdf
28 霊長類研究拠点 (PDF:624KB)pdf
29 デジタルツインによる創薬と医療のパラダイムシフト (PDF:626KB)pdf
30 高深度トランスオミクスアプローチに基づく革新的医学研究 (PDF:405KB)pdf
31 生命科学クロスオーバー研究旗艦拠点の設立計画 (PDF:1,774KB)pdf
32 社会を支える生命医科学データ基盤の確立 (PDF:287KB)pdf
33 生体-人工物の融合を通じて高いQOLを実現する持続可能な社会・生態系のための革新的生体医工学の創成 (PDF:810KB)pdf
34 相互支援による地域共生社会の成熟・深化に向けたケアサイエンス研究ネットワーク拠点 (PDF:1,103KB)pdf
35 ワンヘルスの実現に向けた生命科学研究のサステナブル循環システムの構築 (PDF:1,651KB)pdf
36 患者主体的医療体制の実現とそれを支えるヘルスリテラシー教育体制を構築 (PDF:627KB)pdf
37 One Medicineによる創薬・先端医療研究の革新とSharing Medicineの実現 (PDF:1,279KB)pdf
38 脳型重層研究網と個別化医療システム網による統合知が導く多様な個の脳・こころと環境のウェルビーイングが共存する「和の社会」構想 (PDF:915KB)pdf
39 Society 5.0におけるWellnessの壁を越える研究領域の推進 (PDF:624KB)pdf
40 “守護天使チーム”による究極の個別化医療と見守り社会の実現 (PDF:267KB)pdf
41 グローバル・エイジング下での持続可能な制度設計を目的とした産・官・学の協働・協創による次世代型データ整備事業 (PDF:711KB)pdf

図 ビッグデータ駆動による生命科学リテラシーの促進
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:生命科学に関するビッグデータの収集・保全・分析を推進し、また、新たな知見の創出プロセスを広く公開することで自然や環境の変化に関する教育を促進し、次世代の研究人材を育成していく。そのための研究拠点群形成とそのネットワーク構築に注力し、ビッグデータ駆動による生命科学を発展させる。

キーワード:デジタル保全、AI、統計、生命科学教育、リテラシー

グランドビジョン⑥の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 提案されているプロジェクトの俯瞰的構想
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:ヒト及び種々のモデル動物において脳の情報処理の過程を多層的に計測し、データ公開することにより、省エネルギーで高性能の演算性能を発揮する脳の普遍原理を理解する。ヒト特有の知性、精神神経疾患の発現機構、ヒトのこころや文化、言語の本質に迫るため、霊長類やヒト脳における研究を推進する。また、異分野融合により、こころの病等の社会問題の解決につながる研究体制を構築し、さらには脳型人工知能の開発を見据える。

キーワード:脳の動作原理、言語、こころ、精神神経疾患、脳型人工知能

グランドビジョン⑦の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 超スマート社会における人の能力拡張とAIとの共生
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:加速的な情報技術の進展により、汎用で自律的なAIが社会に浸透し、AIと人が共生する超スマート社会が生まれる。非言語情報を含めた人とAIの相互作用が進み、サイバー・フィジカルが融合し、人の能力拡張が行われ、多様で分野総合的な取組が進行する。

キーワード:多様性、ヒューマンインターフェイス、サイバー・フィジカル、言語資源、非言語情報、コンテンツ、アート、ELSI、アクセシビリティ

グランドビジョン⑧の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 サイバー空間の利活用について提案されているプロジェクト構想
(出典)Society5.0科学技術政策(内閣府)を基に本小委員会で作成
概要:サイバー空間上に現実の世界を再現することや、仮想世界を構築することで、高度なシミュレーションの実現や人々の生活をより豊かにする新たな技術やシステムの創造を目指す。

キーワード:デジタルツイン、メタバース、シミュレーション、予測モデル、AI、バーチャルリアリティ、セキュリティ

グランドビジョン⑨の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 データ基盤とその利活用による学術の発展
(出典)学術の中長期研究戦略「データ基盤から知識基盤へ」を基に本小委員会で作成
概要:あらゆる分野のデータを集約するデータ基盤、さらに進化させた知識基盤の整備を進め、同時に利活用し得る人材を育成することでデジタル変革を推し進め、学術界を再構築していく。

キーワード:学術情報基盤、知識基盤、資料保全、データ駆動型研究、オープンサイエンス

グランドビジョン⑩の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」

No. 学術の中長期研究戦略の名称
17 グローバル・ヒストリーのための非英語史料編纂所の設立(再掲) (PDF:509KB)pdf
32 社会を支える生命医科学データ基盤の確立(再掲) (PDF:287KB)pdf
41 グローバル・エイジング下での持続可能な制度設計を目的とした産・官・学の協働・協創による次世代型データ整備事業(再掲) (PDF:711KB)pdf
43 諸学術分野に必要な大学院統計学教育システム研究開発を支援する中核機関および大学院のネットワーク型連携活動を通じた日本の大学院教育研究能力の高度化(再掲) (PDF:736KB)pdf
70 宇宙・地球研究資料のアーカイブ化とキュレーションシステムの構築 (PDF:624KB)pdf
71 公共学術史の確立と、そのための装置整備 (PDF:482KB)pdf
72 異分野・社会との連携のための共通言語「データサイエンス」の学際的な研究・教育拠点の形成 (PDF:344KB)pdf
73 データ駆動による課題解決型人文学の創成 (PDF:512KB)pdf
74 参加型人文学資料保全研究プロジェクト (PDF:456KB)pdf
75 証拠に基づく政策形成研究を加速するわが国公的ミクロデータ等研究利活用の全国ネットワーク環境整備 (PDF:689KB)pdf
76 空間データの利活用を通じた地域の課題解決に関する政策支援システムの構築 (PDF:694KB)pdf
77 ビッグデータ可視化を中核とした、情報科学と文化・芸術科学の文理融合 (PDF:565KB)pdf
78 ミクロコスモスに挑む生命シミュレータの創成 (PDF:546KB)pdf
79 教育・学習ビッグデータ駆動型教育による学習変革(LX:Learning Transformation)の推進拠点の形成 (PDF:246KB)pdf
80 地理空間情報の蓄積と活用のための研究基盤形成 (PDF:566KB)pdf
81 ビッグデータから科学的知見を獲得する分野横断的視考基盤の開発 (PDF:446KB)pdf
82 データ基盤から知識基盤へ (PDF:728KB)pdf
83 薬用遺伝資源の持続可能な利用のための情報データの系統的統合・集積と利用 (PDF:250KB)pdf
84 物理ベースサロゲートモデルの構築と政策策定への適用 (PDF:673KB)pdf
85 計算社会科学研究のための大規模データベース・データ解析・シミュレーション拠点の形成 (PDF:575KB)pdf

図 数学・数理科学・量子情報科学が切り拓く未来社会
(出典)内閣府資料を基に本小委員会で作成
概要:数学・数理科学、量子情報科学等を基盤とした拠点形成と連携ネットワーク構築により、高い研究レベルを維持し、未来の産業構造と社会変革の基となる研究展開と人材育成の継続的推進を目指す。

キーワード:ネットワーク形成、連携プラットフォーム、国民教育、知の循環、基盤構築

グランドビジョン⑪の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 観測技術革新による地球システムの理解と地球変動予測への展開概念図
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:革新的な観測技術を駆使し、地球の内部から大気・海洋・磁気圏まで、現在の地球の状態と生起する諸現象や活動を、地球を一つのシステムとして捉えて解明することを目指す。宇宙から海底まで、赤道から極域まで先端的観測を幅広く展開するとともに、数値モデルや地球のデジタルツインを構築し、将来の地球変動予測へとつなげる。

キーワード:地球観測、地球システム変動、気候変動予測

グランドビジョン⑫の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 持続的社会構築に向けた学術構想の概念図
(出典)Stockholm Resilience Centreの図を基に本小委員会で作成
概要:共同体の疲弊やコミュニケーション障害等に伴い生じている現代社会の諸問題に対して、言語・コミュニケーションに関する人文科学の研究を充実させ、それらの成果を踏まえつつ、社会科学の方法によってデータを因果的に解析することで、原因と結果との関係を明確化し、包括的かつ実効性のある解決策を提示する。人々の共生の必要性を再確認しつつ、「誰一人置き去りにしない」世界の実現を目指す。

キーワード:言語、コミュニケーション、共同体、データ・因果解析

グランドビジョン⑬の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」

No. 学術の中長期研究戦略の名称
19 データ駆動型持続的森林経営システムの構築に向けた学術研究の展開(再掲) (PDF:581KB)pdf
20 100億の人類に食をもたらす作物や地球環境保全の主役となる樹木の創出(再掲) (PDF:604KB)pdf
22 顧みられない未利用種(NUS)の遺伝的改良に基づく持続可能なagro-ecosystemの確立(再掲) (PDF:481KB)pdf
23 変わりゆく地球環境と調和した持続可能な食料システムの構築のための学術振興(再掲) (PDF:617KB)pdf
44 国立沖縄自然史博物館の設立―自然史科学の推進による自然の解明は人類の持続可能性へ貢献する―(再掲) (PDF:939KB)pdf
93 数理科学と社会科学に基づいた分野横断的な先進的自然災害予測・評価による防災・復興の実現と国際社会への発信(再掲) (PDF:558KB)pdf
108 マルチハザード都市防災学の創出と実践 (PDF:647KB)pdf
109 レジリエントな未来を拓く超学際流域圏マネジメント学の創成 (PDF:640KB)pdf
110 建築分野の複合災害対応、ネットゼロ達成、ストック活用に関する研究 (PDF:605KB)pdf
111 持続可能な地球社会像の構築 (PDF:548KB)pdf
112 地球の環境事変にレジリエントな地域形成に向けた戦略構築 (PDF:723KB)pdf
113 水環境における物質循環と生態系の完全理解に基づいた持続可能社会の確立を目指した超分野融合学術体系の構築 (PDF:468KB)pdf

グランドビジョン⑭:エネルギーと環境の両立的課題解決


図 エネルギーと環境問題について提案されているプロジェクト構想
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:持続可能で安全・安心な社会を構築するために、エネルギーと環境の喫緊の問題に対して、多様な観点から連携しつつ研究推進することで、両立的課題解決を模索する。

キーワード:エネルギー源、核物理、プラズマ物理、物性科学、再生可能エネルギー、地球環境保全

グランドビジョン⑭の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」

No. 学術の中長期研究戦略の名称
114 カーボンニュートラル・サーキュラー社会の熱利用を支える基盤研究 (PDF:292KB)pdf
115 水素社会に対応するゼロエミッション航空機の研究開発 (PDF:728KB)pdf
116 プラズマ物理の学際的展開―集団現象の理解に向けて― (PDF:473KB)pdf
117 SDGsの達成に資する電波資源の科学・商業・公共利用におけるレギュラトリーサイエンスに基づくハーモナイゼーション (PDF:833KB)pdf
118 低温プラズマの学術とイノベーション推進のための研究戦略 (PDF:2,774KB)pdf
119 物性科学連携研究体~エネルギー技術革新を通じて22世紀の理想社会実現の基盤形成に貢献する研究ネットワーク・オブ・ネットワークス~ (PDF:593KB)pdf
120 インターネット型エネルギープラットフォームに基づくレジリエントな自立分散型エネルギー社会を実現するレギュレーション確立に向けた文理融合研究の推進 (PDF:540KB)pdf
121 総合知としての核融合エネルギー学の創出 (PDF:506KB)pdf
122 オープンな原子力研究基盤による持続的かつ超学際的なイノベーションの促進 (PDF:275KB)pdf
123 2050年以降への持続的カーボンニュートラル社会を実現する低温工学および超電導工学体系の創出 (PDF:253KB)pdf
124 表面科学と真空技術のシナジー効果による次世代科学技術の推進 (PDF:488KB)pdf
125 超高圧電子顕微鏡を基軸とした革新的計測分野の創出 ~ 産業課題解決を志向した本邦だけが成し得るオペランド・三次元ナノ観察技術開発 (PDF:1,150KB)pdf

図 本学術構想と提案されているプロジェクトの俯瞰図
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:日本が高い競争力を有する物質・材料の研究・開発において、特に、(A)資源の量的・空間的偏在による利用限界、(B)利用後の廃棄による環境汚染、(C)エネルギー利用による温暖化ガス排出の三つの課題に着目して、人材を育成しつつ、革新的物質と材料生産プロセスにおける革新を目指し、持続可能な社会の構築に貢献する。

キーワード:物質創成・合成、評価法、機能物質、生産プロセス革新、エネルギー転換、環境負荷低減、資源循環

グランドビジョン⑮の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 量子ビームを用いた極限世界の解明と人類社会への貢献の概要
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:加速器による高エネルギー粒子の強度増強、放射光・レーザー光施設の増強を進め、物質の究極構造や機能の解明を目指す。量子ビームは、科学研究の最先端を切り拓くとともに、共通ツールとして分野間の融合研究を促進し得る。基礎科学の推進とともに、工学研究や文理融合研究の促進によって、産業・文化的な貢献も果たしていく。

キーワード:加速器科学、大強度ビーム、レーザー科学、時空間イメージング、物質の構造・機能とダイナミクスの解明

グランドビジョン⑯の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」

No. 学術の中長期研究戦略の名称
133 持続可能な社会基盤構築に繋がる重元素研究の推進(再掲) (PDF:1,079KB)pdf
135 複雑・不均一系の分子ダイナミクスに挑む量子光科学拠点の構築 (PDF:608KB)pdf
136 J-PARCでの高強度重イオンビームによる超高密度物質の研究 (PDF:467KB)pdf
137 MLF第2ターゲットステーション:中性子・ミュオン科学の新たな展開 (PDF:719KB)pdf
138 量子ビーム施設統合マルチプローブ学術研究基盤 (PDF:1,167KB)pdf
139 超伝導加速器研究拠点 (PDF:363KB)pdf
140 新学術分野の創成と社会課題の解決を実現する先端放射光科学 (PDF:961KB)pdf
141 大強度低速陽電子ビームによる物性科学・基礎科学の革新的展開 (PDF:804KB)pdf
142 世界を先導できる大型パワーレーザー施設による国際中核拠点の構築 (PDF:788KB)pdf
143 高エネルギー大強度陽子ビームが拓く核子エンジニアリング社会 (PDF:898KB)pdf
144 21世紀の量子プローブ「ミュオン」を用いた学際科学の新展開 (PDF:1,536KB)pdf
145 紫外線域の高輝度小型放射光源を基盤とする国際研究・人材育成拠点の形成と動的局所構造解析による量子物質科学・量子生命科学の推進 (PDF:454KB)pdf
146 中性子ビーム利用の中長期研究戦略 (PDF:499KB)pdf
147 アト秒レーザー科学研究施設(ALFA) (PDF:590KB)pdf
148 大強度高品質ミュー粒子ビームによる宇宙の起源の解明と新しい科学分野の開拓 (PDF:801KB)pdf

図 太陽系探査の中長期的な学術振興構想
(出典)日本学術会議地球惑星科学委員会、地球惑星科学委員会地球惑星科学企画分科会及び地球惑星科学委員会地球・惑星圏分科会、
報告「地球惑星科学分野における科学・夢ロードマップ(改訂)2020」より
概要:探査機を用いた太陽系天体(太陽・月・惑星・小天体等)の科学探査によって、太陽系の起源と進化の解明を目指す。日本の強みであるサンプルリターンや宇宙輸送技術等をさらに発展させ、月・火星を対象とした国際宇宙探査にも参画することで、科学的成果の創出に加えて重力天体探査及び有人宇宙活動関連技術を獲得し、人類のフロンティア開拓・拡大に貢献していく。

キーワード:太陽系探査、サンプルリターン、宇宙輸送、有人宇宙活動

グランドビジョン⑰の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」


図 本グランドビジョンに関係する観測施設・プロジェクトの俯瞰
(出典)本小委員会にて作成
概要:宇宙における天体の誕生と進化を探究し、天体諸階層の多様性の起源を探ると同時に、その帰結としての生命の普遍性の解明を目指す。物理学、天文学、地球惑星科学、化学、生命科学等にわたる学際的研究課題として、国際競争と国際協力に基づく多様で相補的な観測プロジェクトを基盤とする研究領域であり、自然科学における最も根源的な問いへの探究であるといえる。

キーワード:宇宙史、銀河進化、太陽系外惑星、マルチメッセンジャー天文学、アストロバイオロジー

グランドビジョン⑱の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」

No. 学術の中長期研究戦略の名称
156 宇宙望遠鏡JASMINEによる近赤外時系列位置・測光天文学で拓く天の川銀河と系外惑星の探究 (PDF:583KB)pdf
157 惑星科学、生命圏科学、および天文学に向けた紫外線宇宙望遠鏡計画 (LAPYUTA)  (PDF:1,266KB)pdf
158 国際電波望遠鏡計画SKA1による現代天文学の開拓 (PDF:478KB)pdf
159 惑星間宇宙望遠鏡による新時代のダストフリー天文学の創成 (PDF:502KB)pdf
160 CTA国際宇宙ガンマ線天文台 (PDF:579KB)pdf
161 30m光学赤外線望遠鏡TMTによる天文学・宇宙物理学の革新と太陽系外惑星における生命の探求 (PDF:434KB)pdf
162 南天におけるPeV領域ガンマ線広視野連続観測(Mega ALPACA) (PDF:1,351KB)pdf
163 NASA 6m紫外線可視近赤外線望遠鏡Habitable Worlds Observatoryへの参加 (PDF:680KB)pdf
164 POEMMA 超高エネルギー粒子(ν・宇宙線)の衛星軌道からのステレオ観測 (PDF:547KB)pdf
165 多波長・マルチメッセンジャー観測による初期宇宙探査・極限時空探査 (PDF:421KB)pdf
166 南極テラヘルツ望遠鏡による南極天文学の開拓と銀河進化の解明及び宇宙論パラメータの決定 (PDF:480KB)pdf
167 極高エネルギー宇宙線国際共同観測実験(Global Cosmic ray Observatory, GCOS)による次世代天文学の開拓と極限宇宙物理現象の解明 (PDF:529KB)pdf
168 赤外線観測用冷却宇宙望遠鏡で革新する銀河と惑星の起源の研究 (PDF:476KB)pdf
169 大型国際 X 線天文台 Athena への日本の参加 (PDF:421KB)pdf
170 広帯域X線高感度撮像分光衛星FORCE (PDF:432KB)pdf
171 次世代大型電波干渉計ngVLAでもたらす宇宙史と生命の理解の新機軸 (PDF:608KB)pdf
172 大型サブミリ波望遠鏡LST計画の実現に基づくサブミリ波帯多次元掃天天文学の創出 (PDF:1,002KB)pdf

図 本グランドビジョンに関係する実験・観測プロジェクトの俯瞰
(出典)本提言にて、独自に作成
概要:加速器や地下実験室等による素粒子・ハドロン・原子核実験の成果を総合し、理論物理学と最新の計算科学を駆使することで、既知の物理法則を超えた自然界の新たな基本原理を発見するとともに、宇宙と物質の起源の解明を目指す。

キーワード:素粒子物理、原子核・ハドロン物理、ダークマター、重力波、初期宇宙、スーパーコンピュータ

グランドビジョン⑲の実現の観点から必要となる「学術の中長期研究戦略」

No. 学術の中長期研究戦略の名称
136 J-PARCでの高強度重イオンビームによる超高密度物質の研究(再掲) (PDF:467KB)pdf
148 大強度高品質ミュー粒子ビームによる宇宙の起源の解明と新しい科学分野の開拓(再掲) (PDF:801KB)pdf
173 IceCube-Gen2 国際ニュートリノ天文台によるニュートリノ天文学の長期的展開 (PDF:414KB)pdf
174 高エネルギー加速器による素粒子原子核物理学の研究 (PDF:469KB)pdf
175 チリ・アタカマ高地からのCMB観測 - Simons Observatoryおよび次世代望遠鏡群 (PDF:842KB)pdf
176 素粒子標準模型を超える新物理に向けたFASER実験とFPF計画の推進 (PDF:471KB)pdf
177 大型液体キセノンを用いた宇宙暗黒物質直接検出実験(DARWIN/XLZD実験計画の推進) (PDF:597KB)pdf
178 カムランド高性能化による極低放射能環境でのニュートリノ研究 (PDF:599KB)pdf
179 国際高エネルギー量子科学フロンティア:海外施設で展開するQCD研究 (PDF:768KB)pdf
180 基礎科学と量子技術の協働で開拓する量子と重力の未踏領域 (PDF:770KB)pdf
181 大型先端検出器による核子崩壊・ニュートリノ振動実験(ハイパーカミオカンデ計画の推進)  (PDF:447KB)pdf
182 LiteBIRD ― 熱いビッグバン以前の宇宙を探索する宇宙マイクロ波背景放射偏光観測衛星 (PDF:392KB)pdf
183 大型低温重力波望遠鏡 KAGRA 計画 (略称: KAGRA)  (PDF:382KB)pdf
184 宇宙重力波望遠鏡B-DECIGOによる天文学・宇宙物理学の新展開 (PDF:511KB)pdf

提言「未来の学術振興構想(2023年版)」本文は、以下よりご覧いただけます。
提言「未来の学術振興構想(2023年版)」


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