1 名 称 第40回地質科学国際研究計画(IGCP)本部理事会
( The 40th Meeting of the IGCP Scientific Board)
2 会 期 平成24年2月21日~24日(4日間)
3 会議出席者名 波田 重煕
4 会議開催地 フランス国パリ市
5 参加状況 (47か国、200名 日本人参加者 2名)
6 会議内容
例年、IGCP本部理事会は進行中のIGCPプロジェクトから提出された報告書に基づき評価を行い次年度のバジェットを決定することと、新規申請プロジェクトの採否を決定することを主に3日間開催されてきました。IGCP国内委員会委員長はその結果の報告を受けることと国内委員会の活動報告をすることを主目的に最終日のオープンセッションに参加することを求められてきました。ところが、今年はIGCP創設40周年記念行事を同時に開催することが関わって、オープンセッションを最終日に開催するという会議日程が急遽2月に入ってから変更され、2月21日に開催されました。しかし、報告者は既に航空券の購入していたために、本部理事会オープンセッションには参加できず、周年記念行事のみの参加となりました。そこで、本部理事会の報告は当日参加されたユネスコ日本政府代表部参事官の小野幸嗣氏からいただいた報告に基づくことをお断りいたします。
・日程及び会議の主な議題
(1)イシュラワンユネスコ生態地球科学部長からの国連との連携にふれた挨拶、リッカルディIUGS(国際地質科学連合)会長からのIGCPの40年間の成果・成功と人類への貢献に言及した挨拶及びIGCPを担当したミソッテン全地球観測課長の退任挨拶
(2)IGCPの事業報告と質疑
(3)IGCP国内委員会報告
(4)第34回バンコク地質会議について
・会議における審議内容・成果
IGCPは1972年の創設以来、約150カ国が参加して、これまで335のプロジェクトを実施し、成功裏に40周年を向かえた。現在、5つの主テーマの基に活動しているが、これまで事業経費はユネスコとIUGSが拠出してきたが、近年中国やスウェーデン(Swedish International Development and Cooperation Agency)からの寄与が加わったが、依然として財政的に苦しい状況があること、プロジェクト・リーダーはバジェットはシードマネーであることを理解し、草の根の活動を続けていることは、今も昔も変わりない。
一方40周年記念式典では、IGCPがユネスコの中で最も成功したプロジェクトであったが、その成果を受けて今後さらに何にチャレンジし、そのソリューションはどのようなものであるかが協議の中心となった。今後も地球科学の普及に力を入れ、特に発展途上国の生活や学術面の向上に寄与することが重要であるという共通認識が得られた。
・会議において日本が果たした役割
特筆することはないが、報告者は今回IGCP日本国内委員会委員長を退任するので今回の会議が最後となるが、これまで、1985年からIGCPに関わり、3つのプロジェクトに関わってコ・リーダーやリーダーを務め、1993年からは国内委の代表幹事、2006年からは委員長を務め、2003年から今回まで本部理事会にも参加してきたことから、国内委の活動報告の中で、本部理事会のこれまでの日本国内委へのサポートに感謝の意を表し、IGCPの今後益々の発展を期待する旨を述べる積りであった。しかし、日程変更のためにその機会を逸したのは大変残念であった。
・その他特筆すべき事項)
特になし。
7 会議の模様
本部理事会には報告者は参加できなかったことと、16時からの開催で十分な時間がとれず、取り上げられた議題も例年より少なかったようであるが、伝聞によると、厳しい財政状況に議論が集中したようである。一方、周年行事は参加国も多く、今後のIGCP活動が向かう方向について熱心な議論が交わされ、とくに中国の活躍(参加者も他の国より群を抜いていた)、アフリカや女性科学者への活躍や関心が目立った。
次回開催予定 平成25年2月中旬
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