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代表派遣会議出席報告
1 名 称   国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)総会
        (International Union of Pure and Applied Physics, General Assembly)
2 会 期 平成23年11月2日~4日(3日間)
3 会議出席者名 酒井英行(IUPAP分科会委員)
         新井朝雄(IUPAP分科会委員)
4 会議開催地  イギリス,ロンドン
5 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)
         参加国数:31か国,参加者数:87名,日本人参加者:6名
6 会議内容

   ・日程及び会議の主な議題
    11月2日~4日
    ①会長、次期会長、理事など執行部の選出
    ②予算案の承認
    ③C2からC20 までの委員会(コミッション)委員の選任
    ④各ワーキンググループ報告
    ⑤決議案の議決
    ⑥その他
    
   ・会議における審議内容・成果
     11月2日(水曜日)
     会長挨拶、
     財務報告と分担金の増額の提案、
     拡大理事会に於ける副会長の定員増(3名から5名とすること)の提案、
     理事会執行役員(委員長、副委員長、書記)の任期についての提案、
     SESAMIの状況報告と支援の提案、
     各ワーキンググループ報告、連携他国際機関報告、
     国際光年の支持依頼提案、
     理事会と分野別コミッションメンバー選任提案、
     CERN機構長Rolf Heuer教授の講演、など。
    11月3日(木曜日)
     国連主催国際会議「持続可能な開発」(Sustainable Development)の報告。
     分担国からの議題提案:
      a.委員会の名称について、
      b.2013年を結晶学年とする提案
      c.Universality of Science条項の一部変更。”sexual orientation”と”gender identity”の追加について、
      d.エネルギーに関する委員会の再設置について、
      e.IUPAP各委員会を監視するジェンダー擁護者の提案について、
      f.物理学生国際協会(International Association of Physics Student)との連携について、
      g.名称と記号の公式受諾について。
     イギリスに於ける物理学研究についての講演(講師4名)。
     ロイヤル ソサエティでの晩餐会。
    11月4日(金曜日)
     各コミッション(C2-C20)メンバーの議決。
     各コミッション執行部選任の議決。
     理事会執行部メンバー議決。
     初日に提案された議案の決議と提案議題a.からg.の承認。
     次期会長候補者の紹介。
     次期会長Cecilia Jarlskog教授の演説
     
   ・会議において日本が果たした役割
    潮田会長はIUPAP総会を極めて円滑に運営され、予定されていた全ての議決を成立させた。日本人の役員は、河野公俊氏が次期副会長に選任され、潮田資勝氏は前会長として理事会に残られた。

   ・その他特筆すべき事項
    特に無し

7 会議の模様
    総会は英国Institute Of Physics(IOP)のロンドン本部で行われた。IOPは、総会開催に際し有形無形の援助を行った。IUPAPでの活動を重視する表れとして、中国、韓国、台湾などが分担金を増加させその存在感と影響力を増した。
   特に、中国は副会長にWenlong Zhan氏が選任され発言力が増すとともに、中国物理学会は副事務局長である「谷冬梅」女史を総会に送り込み、IUPAPに積極的に関与する姿勢を際立って見せていた。
    次期(2012-2014)会長に就任するCecilia Jarlskog教授はその就任演説の中で、’Free circulation’ 科学者の自由な交流が物理学の発展に重要であると強調された。また女性の物理学者を増やすべきであることも主張された。
   一方、同女史が議案「名称と記号の公式受諾について」(決議-11)の議論のなかで、新しい元素(Z=110,111,112)の記号と名称の受諾に関して、「最近の元素は、全て物理的手法(加速器ビームによる核反応を使い元素合成する)により
   物理屋が苦労して発見しているにも関わらず、化学がその成果のcreditをとる状態は不自然である」と強く主張されたのが印象に残った。

     次回開催予定  平成26年, 開催地は未定

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