日本学術会議 トップページ > 代表派遣 > 代表派遣結果等
 
代表派遣会議出席報告
1 名 称   第18回国際第四紀学連合大会
        (XVIII INQUA (International Union for Quaternary Research) Congress)
2 会 期  2011年 7月21日~27日(7日間)
3 会議出席者名  齋藤 文紀(産業技術総合研究所上席研究員)
            鈴木 毅彦(首都大学東京教授)
            奥村 晃史(INQUA副会長)
4 会議開催地  ベルン(スイス)
5 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)
  参加国数 74ヶ国、参加者 2100名、日本人参加者 83名
6 会議内容

   2011年7月21-27日に、第18回国際第四紀学連合(INQUA)大会がスイス連邦の首都で開催された。第四紀学および関連する多岐の分野において、最新の研究成果が世界74か国の研究者によって発表された。6日間にわたり88のセッションにおいて口頭とポスター発表で、
  合計約2000件を超える発表が行われた。また中日の24日には20を超える1日巡検が行われた。
   古環境、考古、人類、地層、層序、年代、火山、地震などの従来から行われてきた第四紀学に加えて、地球規模の環境変動や人間社会への貢献が大きく取り上げられた大会であった。過去から現在の環境をいかに評価し、過去の知識を活かすか、また将来の地球環境や
  人間社会にどのように貢献するか、社会に貢献する学問としての第四紀学という潮流が明確に示された大会であった。中でも東日本大震災に関連して、プレナリーでの奥村副会長の特別講演があり、放射性廃棄物処理やIPCC第5次評価報告書関連の基調講演などはその
  典型であろう。約10件の招待講演を含めて、多くの日本人の発表が行われた。また、2名の若手の研究者に贈られたニック・シャックルトン・メダルに、澤井祐紀産業技術総合研究所研究員が選ばれ、プレナリーで受賞講演が行われた。更にINQUAの副会長を務めた太田陽子
  横浜国立大学名誉教授がINQUA終世名誉会員に選出され、次期役員においては、奥村晃史現副会長が再任され、次期大会では日本提案が採択され名古屋に決まる等、日本の活躍と貢献が目立った。

7 会議の模様
   ベルン大学を中心として組織された組織委員会によって、非常に円滑に会議が運営された。大会は、BERN EXPOとその周辺の施設で行われ、特に中日の24日には山岳氷河など20を超える1日巡検が企画された。参加者数も過去2回の大会が1000名強であったのに対し、
  2000名を超える参加があり、プレナリーの基調講演でも常時1000名を超える等非常に活気のある大会であった。次回大会は、日本とスペインからの提案があり、票決の結果、日本の提案が採択され、名古屋で2015年7月末から8月上旬に開催されることになった。アジアでの
  開催は1991年の北京以来であり、1928年に始まるINQUAの初めての日本での大会である。

次回開催予定 2015年7月27日~8月2日、名古屋(日本)、名古屋国際会議場



このページのトップへ
日本学術会議 Science Council of Japan

〒106-8555 東京都港区六本木7-22-34 電話番号 03-3403-3793(代表) © Science Council of Japan