|
|
 |
1 名 称 国際人類民族科学連合中間会議2011・パース
(Inter-congress of the International Union of Anthropological and Ethnological Sciences 2011, Perth)
2 会 期 2011年7月5 日~8日 (4日間)
3 会議出席者名 金澤 英作(特任連携会員)
4 会議開催地 パース(オーストラリア)
5 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)
参加国数 18カ国、参加者 452名、日本人参加者 約20名
6 会議内容
会議はオーストラリアの風光明媚な都市パースで開かれ、ユニオンの中間会議としては大規模に行われた。西オーストラリア大学のキャンパスを使用しての会議で、全体のオーガナイズは極めてよく準備ができており、会議場の数、場所、時間配分等、 いずれも大変満足のいくものであった。会議のメインテーマは、Knowledge and Value in a Globalizing World - Disentangling Dichotomie, Quering Unities - というもので、民族は、グローバル化の中で対立し、同時にまた固有のものも失いつつあるが、そ ういう時に必要な知識と価値観はなにかを追求する、というテーマである。したがって文化人類学や社会人類学者が多く参加し、形質人類学は少数であった。
4日間とも朝は9時から、基調講演または特別シンポジウム、11時から14の会場に散って、シンポジウム形式での発表、会議が開かれた。基調講演は次のとおりである。
・Professor Jen Comaroff: Theory from the South: or, How Europe is Evolving Towards Africa
・Professor James Ferguson: Give a Man a Fish: The New politics of Distribution in South Africa (and Beyond)
多くの日本人が参加したセッションは次の3つである。
1. 京都大学教授竹沢泰子氏がオーガナイズしたChaging representations of indigenous and migrant groups in globalizing Japan: Genes, bones and Culture.
日本人発表者6名のセッションで日本における外国民族と日本人とのかかわり合い、アイヌと日本人、などがテーマとなった。
2. 大阪大学教授小泉潤二氏がオーガナイズしたGlobalization and Conflict: Entanglement between Local and Cosmopolitan Orientations.
ヒューマニズムの限界と紛争に関する人類学的アプローチで、日本人発表者6名を含む総勢10名の発表からなる大きなシンポジウムであった。
3. 筆者がオーガナイズしたRecent Developments in Strategies for Dental Anthropological Studies of Asia-Pacific Populations. 講演者はアデレード大学タウンゼンド教授、慶応大学教授高山博氏、私ほか8名、こちらは文化人類学、社会人類学の参加者が 多いこの中間会議の中で数少ない自然科学系シンポジウムであったが、多くの人の参加により、充実した内容のシンポジウムとなった。
本会議の母体であるInternational Union of Anthropological and Ethnological Sciences(通称ユニオン)の常任理事会Permanent Councilが最終日に開催され、17カ国27名の各国の代表が集まった。小泉事務局長、筆者(副会長)のほかに、日本の国内委員と して日本人類学会の太田博樹氏、日本文化人類学会の窪田幸子氏、竹沢泰子氏、名和克郎氏の参加があった。日本学術会議会員の山本眞鳥氏も参加した。議事進行は副会長でイランのソヘイラ・シャシャハニ氏が行った。
報告事項
1. Greg Acciaioli氏が大会の概要を報告。
2. 2013にはマンチェスターで本会議があるが、2014年の中間会議を募集中とのアナウンス。
3. 会計のシュピーゲル理事が財政状況を説明。
4. 同じく、会則改定を説明。
5. 会場に用紙を回し、各国内委員のメールアドレスを書いてもらった。これは今後の理事会活動に活用する。
審議事項
1. 会則改定とその進行表を配布し、その提案の賛否を問う。
多くの参加者から質問があったが議決を取り、17カ国が賛成した(満場一致)。
次回開催予定 平成 25年8 月 5 日から平成 25 年 8 月10日まで 6日間、開催地:マンチェスター(英国)、準備組織(主催機関)マンチェスター大学

西オーストラリア大学のチャペルと時計塔 開会式 京都大学教授竹沢泰子氏のセッション 筆者(金澤英作)のセッション参加者
|
|
|
|
|