第39回地質科学国際研究計画(IGCP)本部理事会
代表派遣会議出席報告
名称
第39回地質科学国際研究計画(IGCP)本部理事会 39th Session for the International Geological Science (IGCP) Scientific Board 2 会 期 2011年2月16日~18日(3日間) 3 会議出席者名 日本人:波田 重煕(日本IGCP国内委員会委員長) 4 会議開催地 パリ市(フランス) 5 参加状況 (参加国数、参加者数、日本人参加者) 29カ国、53名、日本人参加者(1名):波田 重煕(日本IGCP国内委員会委員長) 6 会議内容
日程及び会議の主な議題
会議における審議内容・成果
会議において日本が果たした役割
本会議は、ユネスコ生態・地球科学部門が中心になって、ユネスコと国際地質科学連合(IUGS)が「社会に貢献する地球科学」を目指して推進している地質科学国際研究計画(IGCP)について、現在進行中のプロジェクトの評価と新たに申請されたプロジェクトに採否の審議を中心に、毎年一回2月にユネスコ本部で開催しているものである。 日程は、前述したように平成23年2月16日~18日の3日間であるが、報告者はIGCP国内委員会の委員長として、理事以外に出席が求められている(open session)2月18日のみに参加した。2月18日の議題は、以下の通りである。 ① ユネスコ自然科学担当事務局長補、国際地質科学連合(IUGS)議長及び事務局長、ユネスコ生態・地球科学部長による、開会挨拶 来年40周年を迎えるIGCP活動は、ユネスコとIUGSの連携関係及び相互支援の結果、プロジェクトとして成功しており、人類社会における地球科学の重要性の認識につながっていること、それをさらに推進するためにはさらなる普及活動が重要となること、そのためには関係機関が協力してネットワークを構築することが重要で、アフリカでそのことを積極的に推進していること、さらにその中で、女性やジオパーク活動が果たす役割の重要性などが強調された。 ② IGCP事務局からの報告 資料に基づき、2009年の活動報告があった。「資源」、「地球の変化と生命の進化」、「地質災害」、「水」、「地球深部」の5つのテーマに分けて新規プロジェクトを募集したが、今年は資源や水関係それに地質災害のテーマに関する申請が多かったこと、IGCPのリーダーはヨーロッパとアジアの 国に集中しているが、参加者は全世界に広がっていること、女性の参加者が増えていることなどが報告された。 ③ 2009年度に活動したIGCPプロジェクトの評価結果の公表 全体に高いレベルにあること、例年のユネスコ、IUGS、IYPE、中国に加えて、スウェーデンからの資金が加わって資金面は改善されたこと(スウェーデンからの資金ついては、2011年に若者のプロジェクトに主に配分される) 、新規に18のプロジェクトの申請があったことなどについて報告された。 ④ 各国のIGCP国内委員会からの年次報告とその評価 ⑤ 国のIGCP国内委員会代表による2008年の活動報告 ⑥ ジオパーク世界ネットワークに関する報告 ジオパークが世界的な広がりを見せる中で、その重要性が益々増しており、アフリカにも活動を広げる準備が進んでいることが報告された。 ⑦ IGCPに関わるユネスコが推進している科学プログラム代表者による年次報告 「社会に貢献する地球科学」を徹底するという観点から、IGCPで推進するプロジェクトには基礎科学というより、応用科学という視点が強く求められること、今後のキーワードは、アフリカ、女性地球科学者、ジオパークであることなどが明確になった。 IGCP活動の意義が日本の学会の中でなかなか広がらない一方、日本はジオパークの推進を日本地質学会が中心になって、外務省などの省庁や地方自治体の協力を得ながら推進しており、これが成功し全国的に大変な盛り上りに発展していること、今後も日本はジオパークの推進に力を入れることが、高い評価を得た。
会議の模様
日本IGCP国内委員会は、IGCPの主な関心が基礎科学から応用科学にシフトしたこと、また資金のサポートもシードマネーであるためボランティア的活動を強いられることになるため、とくに日本の若い地球科学研究者にとってIGCPはそれほど魅力的な存在ではなくなっていることを苦慮している。そのことが日本からの新しいプロジェクトの申請の減少につながっている。しかし、IGCPやジオパークの推進は、持続可能な社会の実現やそのために寄与する地球科学の普及活動にとっては大層重要な活動である。アフリカで始まっているネットワークを構築しながらの、普及活動、女性地球科学者の支援、ジオパークを推進するという活動は、今後のIGCP活動の一つの方向性を示しているとみなされる。 次回開催予定 2012年2月中旬に40周年記念の理事会として開催される。

