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代表派遣会議出席報告
1 会議概要
1)名 称 (和文) IAP執行委員会
            IAP生物多様性カンファレンス
            IAP総会
      (英文) IAP Executive Committee Meeting
            IAP Conference on Biodiversity Conference
            IAP General Assembly
2)会 期 2010年 1月12 日~15日(4日間)
            IAP執行委員会(1月12日)
            IAP生物多様性カンファレンス(1月12~14日)
            IAP総会(1月15日)
3)会議出席者名  唐木英明(国際担当副会長・国際委員会委員長)
             黒田玲子(第3部会員・ICSU副会長)
             土居範久(連携会員・国際委員会副委員長)
4)会議開催地   英国 王立協会(The Royal Society)
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)
             (日本人参加者含む)
              IAP 執行委員会:合計約25名 (内訳:共同議長、執行委員、オブザーバー等)
              IAP生物多様性カンファレンス:合計約150名 (内訳:講演者、座長、参加者(IAPメンバー加盟国代表者))
              IAP総会:約80名(内訳:共同議長、IAPメンバー加盟国代表者、オブザーバー等)
6)会議内容

・ 日程及び会議の議題
  1月12日(火) IAP執行委員会 及び IAP生物多様性カンファレンス
  10:00~12:00 IAP執行委員会

・開会の辞
・前回(2009年9月:東京)での執行委員会議事録の承認
・暫定IAP事務局長の指名
・IAP生物多様性カンファレンスに関するコメント
・IAP声明について
・メンバーシップ委員会からの報告
・総会アジェンダの承認
・選挙手続きについての説明(推薦・選考委員会)
・その他

13:00~16:30 IAP生物多様性カンファレンス(レジストレーション)
  17:00~18:30 IAP生物多様性カンファレンス(開会式、ミリバンド外務及び英連邦大臣 基調講演等)

1月13日(水) IAP生物多様性カンファレンス

  9:00~12:30  セッション1: コンセプト・セッション
  13:30~17:00 セッション2: ケース・スタディー

1月14日(木) IAP生物多様性カンファレンス

  9:00~10:30  セッション3: インターナショナル・バイオダイバーシティー(国際的な生物多様性) 講演
  11:00~12:30 セッション4: (セッションタイトルなし) 講演
  13:30~15:30 セッション5: パネル・ディスカッション
  16:00~17:00 セッション6: コンクリュージョン・パネル(取りまとめ)

1月15日(金) IAP総会


  8:10~17:15 

・歓迎の言葉
・前総会(2006年:アレキサンドリア)の議事録の承認
・活動報告 / 財務報告
・プログラム・ハイライト(主な活動プログラムについての報告)
・若手科学者に関する活動報告
・生物多様性カンファレンスを終えて(結果に関する提案)
・新加盟組織についての決議
・定款等規約改正についての決議
・第二次IAP戦略計画の承認
・IAP地域ネットワークからの活動等報告
・共同議長改選
・執行委員改選

・主な審議内容・成果等
IAP執行委員会:

・ 暫定事務局長の承認:これまで事務局長を務めたProf. Mohamed Hassanが2009年11月で任期切れとなった。次期事務局長の決定(ユネスコからの派遣者を予定)までの間、Prof. Albert W . Koers (オランダ)を暫定事務局長として総会に提案することが承認された。Prof. Koersは、IAP第一次戦略計画及びIAP第二次戦略計画の筆者である。
・ IAP生物多様性カンファレンスについて:IAP生物多様性カンファレンスについて、短期間で発行することが可能なコミュニケを発信することをIAP総会に提案することが承認された(IAP Rules of Procedure, Article 3: Exceptionally Urgent Issuesによる)。
? IAP声明について:ここ一年の間でIAPが企画したIAP声明についての論議が行われた。(以下は、声明公表スケジュール及び日本学術会議での対応等も含めた記載とする。)

- Ocean Acidification(海洋の酸性化):70のIAPメンバーの署名が集まり2009年6月1日に公表。(参考:日本学術会議では、金澤会長が本IAP声明に署名し、更に、2009年6月15日に本件に関する会長談話を発出した 。)
- Tropical Forests and Climate Change(熱帯雨林と気候変動):53のIAPメンバーの署名が集まり、2009年12月16日に、各メンバーの裁量による声明発出のため加盟国に当該声明が配布された。本声明は、当初2009年12月6日から18日の期間、コペンハーゲンにて開催されたCOP15の会合に対する提言としてIAPが公表することを目指して準備を進めていたが、加盟国の署名数が過半数を満たすまでに日数を要した等の理由もあり、当初の予定と異なる発表形態を採用することとなった。COP15の会期終了後の週に、IAPは本声明文をホームページに公表した。
- Beyond the Economic Crisis(経済危機を超えて):2008年9月に発生したリーマンショックの後、2009年3月のIAP執行委員会(オタワ)での提案により本IAP声明の構想が承認された。しかしその後、声明ドラフト作成及びメンバー機関への署名呼びかけにも日数を費やしすぎてしまい、2010年1月15日のIAP総会を目前にしたこの時期に、署名が過半数(本時点で53)をかなり下回る数しか集まらなかった。そのため、本声明については、体裁を変えた形に替えたものを発表することで執行委員会は合意した。

・ IAP共同議長及び執行委員(任期:2010年~2012年)について:以下のメンバーを各候補者としてIAP総会に諮り、選挙を行うことでIAP執行委員の合意が得られた。
 共同議長候補者:
  発展途上国

Professor Mohamed Hassan (アフリカ科学アカデミー会長)
Professor Shamser M. Ali (バングラデシュ科学アカデミー会長)      
Professor Mamannamana Vijayan (インド国立科学アカデミー会長)

  先進国
    Professor Howard Alper(カナダ政府科学、技術、イノベーションカウンシル議長)

 執行委員候補メンバー組織:
  発展途上国 

ベラルーシ国立科学アカデミー
チリ科学アカデミー
中国科学院
台湾(中国)科学アカデミー
ドミニカ共和国科学アカデミー
エジプト 科学研究・技術アカデミー (再選)
インド国立科学アカデミー
ヨルダン王立科学学会
ケニア国立科学アカデミー
マレーシア科学アカデミー (再選)
メキシコ科学アカデミー
ナイジェリア科学アカデミー
スリランカ国立科学アカデミー
トルコ科学アカデミー

  先進国   

オーストラリア科学アカデミー (再選)
フランス科学アカデミー
ドイツ科学アカデミーユニオン (再選)
イタリア 国立アカデミー・リンセイ
韓国科学技術アカデミー
英国王立協会 (再選)
米国 国立科学アカデミー 

IAP生物多様性についてのカンファレンス:

・ 本カンファレンスは、英国王立協会の設立350周年の記念行事の一つとして行われ、英国内外からの専門家による口演・パネルディスカッション等が行われた。
? 本カンファレンスの詳細については、英国王立協会のホームページ参照:
http://www.interacademies.net/CMS/4017/generalassembly2010/9174.aspx
・ ミリバンド外務及び英連邦大臣による基調講演(1月12日)についての関連記事等については英国王立協会ホームページ
(http://royalsociety.org/Miliband-urges-greater-role-for-science-in-diplomacy/)参照。本口演では、国際外交における科学のソフトパワーとしての役割などに関する内容が紹介された(全文掲載:http://www.fco.gov.uk/en/news/latest-news/?view=Speech&id=21563211)。


IAP総会:

? 若手科学者に関する活動報告:2010年2月14日~16日の日程でドイツ・ベルリンにて開催される「Global Young Scientists Academy (GYSA)」のワークショップに関連し、GYSA設立を企画するに至った背景、目的等の簡単な紹介があった 。
・ IAP生物多様性カンファレンスについて:IAP執行委員から提案があったIAP生物多様性カンファレンスに関連するIAPコミュニケについてそのドラフトが紹介された。会議中に、口頭にて幾つかの訂正の指摘が入ったため、その部分のみ改定したIAPコミュニケを、規則にのっとった形で公表することに合意が得られた。コミュニケはIAPホームページに既に掲載されている(http://www.interacademies.net/CMS/10233.aspx)。
・ 新加盟組織について:前回(2006年12月4日~5日、エジプト・アレキサンドリア)の総会時以降、以下の新加盟組織の登録があり、現在の加盟組織数は104となった(紙面の都合上、1カ国で複数の加盟組織となった場合(*)以外は、国名のみの記載とした。各加盟組織詳細:http://www.interacademies.net/CMS/2950/4015.aspx):

- アフガニスタン
- ドイツ(レオポルディーナ)*
- 韓国(KAST)*
- コソボ
- レバノン
- モーリシャス
- モンテネグロ
- モロッコ
- モザンビーク
- ニカラグア
- スーダン


? IAP共同議長及び執行委員(任期:2010年~2012年)について:以下のメンバーが、2010年~2012年の任期での、共同議長及び執行委員として選出された:
  共同議長:
    発展途上国 Professor Mohamed Hassan (アフリカ科学アカデミー会長)
    先進国 Professor Howard Alper(カナダ政府科学、技術、イノベーションカウンシル議長)
  執行委員メンバー組織:
    発展途上国 
      チリ(チリ科学アカデミー)
      中国(中国科学院)
      エジプト(再選:エジプト科学研究・技術アカデミー) 「再選」
      マレーシア(再選:マレーシア科学アカデミー)  「再選」
      インド(再選:インドナショナル科学アカデミー) 「再選」
      メキシコ(メキシコ科学アカデミー)
    先進国
      オーストラリア(オーストラリア科学アカデミー) 「再選」
      フランス(フランス科学アカデミー)
      イタリア(ナショナルアカデミー・リンセイ)
      英国(英国王立協会) 「再選」
      米国(米国ナショナル科学アカデミー)
・その他:2010年1月12日夕刻に発生したハイチでの大地震について、共同議長の発案により、急遽お悔やみの書簡をIAP全加盟国名にて発出することに合意。ハイチにはアカデミー組織が未設立のため、在イタリ ア国ハイチ大使館を通じハイチ共和国政府宛とした書簡を、「今回の大惨事からの速やかな復興を願うと共に、ハイチの今後の発展のため、科学者組織の設立には協力してゆきたい」として結んだ (参照:http://www.interacademies.net/Object.File/Master/10/263/HAITI.pdf)。

  
IAP執行委員会の風景                   IAP 生物多様性カンファレンスの風景        IAP総会の風景

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