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代表派遣会議出席報告
1 会議概要
1)名 称 (和文) 第24回国際地図学会議
      (英文)  24th International Cartographic Conference
2)会 期 平成21年11月15日~21日(7日間)
3)会議出席者名 森田 喬、熊木洋太
4)会議開催地  チリ国、サンチアゴ
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者) 参加国数:53カ国  参加者数:約700名(外国)、約1400名(国内)  日本人参加者:7名  
6)会議内容

・ 日程及び会議の主な議題:総合テーマ「世界の地理空間的課題解決の方法」のもと招待講演、研究発表、国際地図展、子供地図展、技術展、地図作成機関見学、執行部・各種委員会の会議などにより7日間にわたってチリ陸軍士官学校キャンパスにおいて開催された。
・ 会議における審議内容・成果:総会は4年ごとに開催されるが、今回はその中間の年にあたり2年ごとに開催される地図学コンファレンスのみの大会であった。全体としては新しい潮流を生み出すというよりは既に挙げられている各種課題を中心に議論するという地道なものとなった。
・ 会議において日本が果たした役割:日本からは口頭発表7件、ポスター発表1件の報告がなされ、いずれも参加者の関心が高く質疑が活発に行われた。また、国際地図展に14作品、子供地図展に4作品を出展したが、国際地図展において、都市図および計画図の部門で日本から出展したGEO社の「Diorama Kyoto (Spring)」が次点に選出された。なお、審査員7名の一員として日本にも指名(森田)があり候補作品の選定に当たった。また、日本が主導的役割を担っているユビキタス・マッピング委員会(委員長:森田)の連絡会議を開催し、次回総会まで及びそれ以降の活動について意見交換を行った。
2.会議の模様
・ 招待講演:以下の6件の講演があった。(1) 国土安全保障における地図作成部門の役割(米国地理空間情報局長Murret氏)、(2)電子化政府におけるBIM、CAD、GISの融合(Autodesk社地理空間情報技術部長Zeiss氏)、(3) Webが地図作成に与える影響とその意味(ESRI社製品部長Brown氏)、(4) 国家地図作成機関の役割(英国国土地理院長Lawrence氏)、(5) 世界の地理空間情報コミュニティのための国境を越えた教育(オランダITC校長Moneaar氏)、(6) 国連と地図・地名(国連地名専門家グループ長Kerfoot氏)
・ 研究発表:全体として約300件の発表が行われたが、セッションテーマを発表件数の多い順に並べると以下の通りである。(1) 地理空間分析、(2) GIS、(3) インフラ整備、(4) アトラス、(5) 視覚化、(6) 衛星画像、(7) インターネット、(8) ハザード、(9) 歴史、(10) 生産システム、(11) 総描、(12) 利用者、(13) 教育、(14) 調査・研究、(15) 社会、(16) 基礎、(17) 視覚障害、(18) 地名、(19) アート、(20) 山岳、(21) 批評、(22) 子供、(23) 遺産、(24) 理論、(25) 観光、(26) 惑星、(27) 投影法、(28) 仮想現実感、(29) 版権、(30) マルチメディア
・ 国際地図展・子供地図展・技術展:国際地図展はアトラスを含み約500点の展示があったがA0判以上の大型の地図が目立った。子供地図展はメッセージ性が強くカラフルなものが多く、また国により表現傾向に相違が見られた。技術展は35のブースが設けられチリ国内外の、ソフト・計測・出力メーカー、計測・出力サービス会社、国の地図作成機関、地図会社、データベース会社、研究所、学・協会、大学などが出展した。
・ 地図作成機関見学:チリでは基本図の作成は軍が行っており、サンチアゴ市内の陸軍(地形図)、空軍(写真測量・リモートセンシング)、およびサンチアゴから西北120kmの臨海都市バルパライソの海軍(海図)への各々半日の見学ツアーが開催された。
・ 各種ミーティング:執行部の運営会議、国の地図作成機関会議、コミッション代表者会議、地図展審査会議、各コミッションの集会などが大会期間中に開催された。
・ 次回開催予定:2年後の平成23年7月3日から8日までの6日間フランスのパリにおいて行われる。この大会は第1回総会が1961年にパリで開催されその50周年の里帰り大会として第15回総会・第25回国際地図学会議として行われることになっている。

写真1:サンチアゴ市内と背後のアンデス山脈
写真2:ICC2009Santiago大会会場入り口
写真3:講堂・講演会場連結ホールにおけるコーヒーブレーク

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