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代表派遣会議出席報告
1 会議概要
1)名 称 (和文) 哲学諸学会国際連合運営委員会
(英文) Steering Committee of the International Federation of Philosophical Societies
2)会 期 平成21年4月6日?7日(2日間)
3)会議出席者名 佐々木健一
4)会議開催地 イタリア国 イスキア市
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者) 約20カ国、約40名(正式メンバーとオブザーバーの区別が難しく、概数です) 日本人参加者は佐々木健一
6)会議内容
・日程及び会議の主な議題
4月5日 参加者到着
4月6日 午前・午後 運営委員会
4月7日 午前 運営委員会 午後 コンフェランス
4月8日 参加者帰国
・ 運営委員会の主要議題は、会長、事務局長の会務報告(特に、国際哲学デイ、国際哲学オリンピアードを含むUNESCOとの関係)、出納係の会計報告、2013年のアテネ大会のための諸問題(特に、一般テー マの選定、プログラム委員会委員の選出、公用語の問題についての討議)、諮問委員会の報告と新規の創立の承認、FISPへの新規参入申請審議
コンフェランスの主題は“Philosophy Rethought: Reflections on Philosophy Today in Light of the Seoul World Congress”
・ 会議における審議内容・成果
定例の年次委員会であり、FISPの通常の運営についての討議が中心。重要なのは、次の世界哲学会議(2013年アテネ)の一般テーマ、プログラム委員、公用語に関する討論で、原則的な決定がなされた。テ ーマは、寄せられた19の提案をもとに討論し、Philosophy as Inquiry and Way of Life を採択し(最終的な文言は修正の余地あり)、プログラム委員長とFISP側から出す5人のプログラム委員が決まった。公用語( 同時通訳の問題を含む)については特別委員会の報告をもとに活発な討論がなされた。もうひとつの重要なテーマはユネスコとの関係である。国際哲学デイと哲学オリンピアードを通して、ユネスコとの協力関係は FISPの活動の重要な柱をなしており、そのユネスコにおいて哲学の位置をめぐる議論が提起されていることに重大な懸念が示され、アッピールを出すことが決められた。
・ 会議において日本が果たした役割
運営委員会という性格上、日本が特に果たした役割というようなものはないが、わたし(佐々木)は、アテネ大会の運営上、一定の役割を担うことになった。
・ その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
右に記したことだが、ユネスコの内部に、哲学に対して認めてきた priority を見直そうという動きがあり、これに対してFISPは強い危機感をもっている。ユネスコに対するアッピール文は、本報告を書いている時点で は初案が出されて検討中の状態だが、現在の地球全体の文明の危機(大きな転換期)に対して、哲学は新しい世界のありかたを考えるうえで、大きな役割を担っていることを、訴える内容になるはずである。
2.会議の模様
イスキアはナポリ湾にうかぶ島のひとつで、リゾート地で、港に面するホテルに宿泊し、その前にある市の会議場で会議が行われた(アクセスも悪くないが、わたしは前々日ローマの空港地内のホテルに泊まり、ようやく前日の午後、イスキアに着いた)。今回は2日間という短い会期で、1日目と2日目の午前が委員会、2日目の午後がコンフェレランスで、両日とも7時間を超えるハードな日程であった。その分、委員同士の接触は密なものとなり、わたしも交流を愉しんだ。コンフェランスは昨年のソウルでの世界会議(テーマは Rethinking Philosophy) を踏まえたもので、9篇の研究報告がなされた。このテーマ設定のため、現在の世界の状況に向かいあう問題意識が顕著に見られた(わたしは、”Philosophy in the World”の報告を行った)。この運営委員会は通例、1年に1度開催されるのだが、本年は、上記ユネスコの行事である国際哲学デイに際し、主催するモスクワの委員会がFISPの委員全員を招待する意向であることから、それにあわせて2回目の会議が設定されている。
次回開催予定
2009年11月中旬
イスキア市長を迎えての、開会セレモニー