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代表派遣会議出席報告
1 会議概要
1)名 称 (和文) 宇宙空間研究委員会第37回科学会議
      (英文) Committee on Space Research, The 37th Scientific Assembly
2)会 期 平成20年7月13日?19日(7日間)
3)会議出席者名 佐々木 晶
4)会議開催地 モントリオール、カナダ
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者) 参加国数40カ国以上、参加者数2427名、日本人参加者200名以上
6)会議内容
・日程及び会議の主な議題

 COSPAR第37回科学総会は、平成 20年7月13日から19日までの7日間、カナダ、モントリオール国際会議場で開催された。科学総会では、天文学、太陽系科学、磁気圏科学、太陽圏科学、地球科学 (リモートセンシング)、物質科学、宇宙生物学、基礎物理学、宇宙軌道力学など、宇宙探査機やロケット・気球などを用いた、広範な分野の科学の最新成果について、発表および議論が行われた。 会期中に、各分野の分科会の会合が開かれて、次回の科学総会のセッションテーマなどが議論された。
 また、7月12日、20日には、代表者会議(council meeting)が開催されて、COSPARの活動の現状報告、予算・決算の報告と承認、分科会の報告、出版物や会合の計画の報告が行われた。
・会議における審議内容・成果
 代表者会議においては、COSPARの2009年、2010年度の予算が承認された。隔年の科学総会の他に、宇宙科学分野においては発展段階にある国々を対象とした、能力開発ワークショップなどにこれまで同様に力を入れる。
 これまで科学総会の講演のプロシーディングスをAdvance in Space Research誌に投稿していたが、今後は、科学総会の講演に限らず、〆切りを設けずに自由に投稿する形になった。プロシーディングスの形態を取ると、Advance in Space Research誌が、Impact Factorの対象とされる雑誌でなくなるための、やむを得ない措置である。
・会議において日本が果たした役割
 科学総会では、多くの日本人研究者が最新の成果を発表した。とくに、「ひので」「かぐや」といった日本の太陽観測衛星、月探査衛星の成果は注目を集めた。

2.会議の模様
 今回の科学総会ではScientific Investigations from Planetary Probes and Aerial Platforms(惑星プローブと大気プラットフォームによる科学探査)、Making the Connection: Astromaterials and Impact Studies(宇宙物質と衝突科学との関連づけ)といった新しい分野のセッションも設けられた。
 また、既存分野とは独立した重要分野のセッションとして「パネル」が設けられている。Capacity Building(能力開発)、Developing Successful Education Programs in Scientific Research Environments(科学研究環境における有効な教育プログラムの開発)、Space Debris(宇宙のゴミ)、Planetary Protection(宇宙検疫)、Space Radiation Environment(宇宙放射線環境)、Scientific Ballooning(科学気球)、Space Weather(宇宙天気)、Satellite dynamics(衛星力学)などである。COSPAR総会風景
 科学総会の構成・進行は順調であった。また、代表者会議の議題や内容についても、事前の準備がしっかりとなされていて順調に予定を終えた。
 意見が出た点として、科学総会の参加登録料が非常に高く(800カナダドル)で、旅費の援助をもらった研究者の中にも参加を辞退する者がいたという報告があった。また、科学総会のプログラムが事前にホームページに掲載されていたのだが、わかりにくい場所にあり、多くの参加者が、モントリオールに来てから詳しいプログラムを知ったということがあった。

次回開催予定
 平成22年7月18日から25日まで、ドイツ、ブレーメンで開催。 次回の参加登録料は今回よりは低額になる予定である。



COSPAR総会風景(司会はカナダ人の女性宇宙飛行士)

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