公開シンポジウム「観光・科学・野生動物保全をつなぐ-The Tourist Scientist Project の挑戦-」
近年、野生動物の保全は世界的な課題となっているが、保全活動に必要なデータや資金、人材は依然として不足している。一方で、国際観光は急速に回復し、世界各地の自然保護地域や野生動物生息地には多くの観光客が訪れている。これまで観光は自然環境への負荷として語られることも多かったが、近年では観光客自身が科学調査や保全活動に参加する「市民科学(Citizen Science)」の可能性が注目されている。
「ツーリスト・サイエンティスト・プロジェクト(The Tourist Scientist Project)」とは、観光客を単なる消費者ではなく、科学研究と自然保全の担い手として位置付ける新たな国際的取り組みのことである。このプロジェクトでは、観光客が旅行先で野生動物の観察記録を収集し、その情報を研究者や保全機関と共有することで、生物多様性のモニタリングや保全活動に貢献する仕組みの構築を目指している。また、地域住民、観光事業者、研究者、保全団体が連携し、観光と保全の両立を図る新たな社会システムの可能性を探っている。
本シンポジウムでは、ケニアにおいて野生動物保全と観光振興を両立させてきた実務家を招き、現場の経験と課題を共有するとともに、西アフリカにおける事例を交えながら、日本の観光と科学、そして野生動物保全を結びつける新たな枠組みについて議論する。観光客が科学と保全に参加する未来像を提示し、持続可能な観光と生物多様性保全の実現に向けた学際的な対話の場としたい。
概要
| 開催日時 | 令和8(2026)年9月26日(土)13:00 ~ 16:30 |
|---|---|
| 開催地 | 東京大学農学部 中島董一郎記念ホール(東京都文京区弥生1-1-1) |
| 対象 | どなたでも参加いただけます |
| 定員 | 約100名(当日先着順) |
| 申込み | 参加費無料・当日参加も可能ですが事前申込が望ましい 以下のリンク先ページ、またはポスター掲載の二次元バーコードよりお申込み下さい。 申込みフォームへのリンク |
| 備考 | 主催:日本学術会議統合生物学委員会・基礎生物学委員会合同ワイルドライフサイエンス分科会、環境政策・環境計画分科会、自然環境分科会 共催:科学研究費 国際共同研究加速基金(海外連携研究)「民間保護区と公的博物館の連携による野生動物保全手法の創発」(23KK0198) 後援:観光庁 |
プログラム
- 13:00 開会挨拶・趣旨説明
- 松本 晶子(日本学術会議連携会員/琉球大学国際地域創造学部教授)
- 13:15「OECMをめぐる国際的議論と地域の保全現場からの経験・教訓の共有」
- 香坂 玲(日本学術会議連携会員/東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
- 13:35「People Powering Conservation: Scientists and the Public Together Can Transform Our Understanding of the Natural World」
(「保全を動かす人々:科学者と市民の協働が自然界への理解を変える」) - Prof. Daniel I. Rubenstein(Class of 1877 Professor of Zoology, Emeritus)/同時通訳
- 14:15「衛星データから見る野生動物と自然環境:市民参加による観察の可能性」
- 祖父江 侑紀(奈良女子大学理学部助教)
- 14:35 休憩(20分)
- 14:55「From Safari Tourism to Biodiversity Stewardship: Kenya’s Community Conservancy Model」
(「サファリ観光から「自然の守り手」へ:ケニアが進める地域共生型の保護モデル」) - Dr. Mohanjeet Brar(Managing Director of Gamewatchers Safaris and Porini Camps)/同時通訳
- 15:35「ギニアの精霊の森におけるチンパンジー保全:野生動物保全の文化観光としての可能性」
- 山越 言(日本学術会議連携会員/京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授)
- 15:55 総合討論「観光はどのように野生動物保全に貢献できるか」
- 司会 : 松本 晶子(日本学術会議連携会員/琉球大学国際地域創造学部教授)
討論者 : 大沼 あゆみ(日本学術会議連携会員/城西大学経済学部特任教授・慶應義塾大学名誉教授)
安田 仁奈(日本学術会議連携会員/東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
講演者全員
- 16:25 閉会挨拶
- 香坂 玲(日本学術会議連携会員/東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
- 16:30 閉会
お申込み・お問い合わせ先
問い合わせ:実行委員会:be.touristscientist(a)gmail.com (a)を@にしてお送りください。