公開シンポジウム「公正なデジタル市場の形成に向けて―市場の構造、弱い立場の利用者保護、個人データ保護等に焦点を当てて」

 経済産業省の「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」での推計によると、2024年の消費者向けデジタル市場は26.1兆円(前年比5.1%増)であり、消費者向け取引全体の9.8%を占めている(前年比0.4ポイント増)。国内の輸入業者や小売業者を介さずに、取引プラットフォーム経由で海外の事業者から直接購入する例も増加している。
 デジタル市場においても、伝統的な対面取引と同じレベルの消費者保護がOECDガイドラインで求められている。しかし、現実には、コンテンツと広告の区別をあいまいにしたステルスマーケティング、消費者を誤った選択に誘導する様々なダークパターン、ネット利用者の閲覧履歴等のプロファイリングに基づくターゲティング広告など、デジタルの特徴を駆使した手法があふれている。また、海外の事業者とのトラブルの解決は容易ではない。さらに、海外では、子どもの保護のためのSNS利用制限の議論が盛んである。
 本シンポジウムでは、「公正なデジタル市場の形成に向けて」というテーマの下、主として、市場の構造、弱い立場の利用者保護、個人データ保護の問題等に焦点を当てて多角的に議論する。

イベント概要

開催日時 令和8(2026)年 9月17日(木)13:30 ~ 17:00
開催地 日本学術会議講堂(東京都港区六本木7-22-34)
対象 どなたでも参加いただけます。
プログラム
1.開会の辞
川嶋 四郎(日本学術会議第一部会員/同志社大学教授)
2.基調講演
「公正なデジタル市場と消費者・生活者」
松本 恒雄(日本学術会議連携会員/一橋大学名誉教授/独立行政法人国民生活センター顧問)
3.公正なデジタル市場の形成をめぐる諸課題
(1)「情報環境法としての競争法-ダークパターンと優越的地位の濫用規制」
林 秀弥(日本学術会議連携会員/名古屋大学大学院教授)
(2)「公正なデジタル市場とEU消費者法の動向」
川和 功子(日本学術会議連携会員/同志社大学教授)
(3)「個人情報保護法の改正-最新の傾向:技術の視点から」
佐藤 一郎(日本学術会議連携会員/大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所教授)
休憩(10分)
(4)「デリバリー系労働プラットフォームにおける諸問題:ゲーミフィケーション、アルゴリズム支配等の問題を中心に」
長谷河 亜希子(日本学術会議連携会員/弘前大学教授)
(5)「婚活マッチングアプリとデジタル倫理-ブラックボックス化されたレコメンデーション機能と情報的自己決定権」
平田 貞代(日本学術会議連携会員/芝浦工業大学大学院准教授/東北大学大学院准教授)
(6)「プラットフォームと媒介者責任-刑事法の観点から」
平山 幹子(日本学術会議連携会員/関西学院大学教授)
(7)「デジタル難民の発生を防止する義務-国際法の観点から」
佐藤 義明(日本学術会議連携会員/成蹊大学教授)
4.質疑応答
5.閉会の辞
田中 教雄(日本学術会議連携会員/熊本学園大学教授/九州大学名誉教授)
 申込み 申込不要・参加費無料・直接会場へお越しください。
 問合せ先 件名を【公開シンポジウム「公正なデジタル市場の形成に向けて」】にしてお問合せください。
メールアドレス:ichibu-scj(a)cao.go.jp ※(a)を@にしてお送りください。
備考 主催:日本学術会議法学委員会・ICT社会と法分科会
共催:成蹊大学Society 5.0研究所、同志社大学デジタル法制研究センター、同志社大学法と社会政策研究センター、「デジタル取引における消費者の脆弱性を踏まえた保護の在り方に関する比較法的研究」(2026年度基盤研究(B))、「デジタル化社会における多様化した消費者取引に対応した法制度についての比較法的研究」(2026年度基盤研究(C))「情報空間の秩序形成に向けたデジタル社会の再構築ーAI時代の法秩序構想」(2026年度基盤研究(B))「民事手続における『ユビキタス・アクセス権』の創造的構築に関する基礎研究」(2026年度萌芽研究)