中部地区会議学術講演会「現実への三つの眼差し──自然科学・社会科学・人文科学の世界理解をめぐる対話」

 予測不可能性と不確かさが常態化するVUCA*の時代において、私たちは、単一の視点では捉えきれない複雑で多面的な現実といかに向き合うべきかを問われている。これまで自然科学・社会科学・人文科学は、それぞれ固有の問いと方法にもとづき、世界の異なる側面を解明してきた。しかし今日では、個別の学問領域の垣根を越えた総合知の構築が求められている。
 自然科学において、私たちの世界理解は本質的に「近似」や「仮説」に基づく。不完全であることを前提としたこの理解は、単なる限界ではなく、私たちの選択や創造を可能にし、さらには社会の意思決定とも深く結びついている。社会科学としての管理会計研究では、理論的考察とともに、山間部地域に固有のマネジメント課題と向き合うための方法を構築することが課題となっている。一方、人文科学のひとつである仏教学は、文献にもとづいて仏教の哲学的世界観を解明してきたが、仏教が社会に根ざした宗教である以上、その社会へのコミットメントも視野に入れ、社会学的アプローチも行われている。
 本企画は、自然科学、社会科学、人文科学という性格の大きく異なる三分野をあえて並置し、それぞれの世界理解の対話を試みる。異なる方法論の背景にある共通の問題意識を共有することで、これからの学術研究における複眼的な現実理解の可能性を探りたい。

*VUCA=Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語。将来の予測が困難な、激動の時代を表すキーワード。

イベント概要

開催日時 令和8(2026)年7月10日(金)13:00~16:30
開催地 信州大学松本キャンパス附属図書館・中央図書館2階セミナー室(長野県松本市旭3-1-1)ハイブリッド開催
対象 どなたでも参加いただけます。(事前参加申込制)
参加費 無料
プログラム
13:00~13:20 開会挨拶
信州大学長 中村 宗一郎

日本学術会議副会長 磯 博康(日本学術会議第二部会員、国立健康危機管理研究機構 国際医療協力局 グローバルヘルス政策研究センター長/理事長特任補佐)

13:20~13:30 主催者挨拶
日本学術会議中部地区会議代表幹事 高田 広章(日本学術会議第三部会員、名古屋大学未来社会創造機構教授)
13:30~13:40 科学者との懇談会活動報告
科学者との懇談会活動報告
松田 正久(中部地区科学者懇談会幹事長/愛知教育大学名誉教授、元学長)
日本学術会議第196回総会を傍聴して
保柳 康一(部地区科学者懇談会長野県幹事/信州大学名誉教授)
13:40~16:25 学術講演会
講演「世界は一つに決まるのか──物理と情報から考える現実と選択」
藤田 あき美(信州大学工学部准教授)
講演「中山間地域における新たなマネジメントの可能性-ひと・環境・いとなみから地域の在り方を考える-」
関 利恵子(信州大学経法学部教授)
講演「仏教から見た人間の現存在と社会」
吉水 千鶴子(日本学術会議第一部会員、筑波大学人文社会系名誉教授、公益財団法人東洋文庫研究部研究員)
総合討論(質疑、まとめ)
16:25~16:30 閉会挨拶
日本学術会議中部地区会議運営協議会委員 護山 真也(日本学術会議連携会員、信州大学人文学部教授)
司会:護山 真也(日本学術会議連携会員、信州大学人文学部教授)
 申込み方法 以下のリンク先にある申込フォームからお申し込みください。
申込フォームへのリンク
申込み締切:7月3日(金)
 問い合わせ 日本学術会議中部地区会議事務局(名古屋大学研究協力部研究企画課内)
TEL:052-789-2039
信州大学総務部総務課
TEL:0263-37-2112
備考 主催:日本学術会議中部地区会議
共催:信州大学