公開シンポジウム「世界観と地域の多様性から考える人と自然のウェルビーイング」

 2030 年のネイチャー・ポジティブ、2050 年の自然共生社会の実現に向けた取組が進む一方で、人と自然の関係のあり方については必ずしも十分に議論されていない。価値観や世界観が多様化する現代においては、自然観・倫理・文化・地域性を踏まえた多角的な検討が不可欠である。人間と自然を二項対立で捉える従来の枠組みに対し、非人間を一人前のアクターとみなす、文化相対主義の認識論を乗り越える存在論に重点を移すなど関連諸分野で様々な試みがなされてきた。仏教思想のレンマや民俗・伝承にみられる自然観など、多様な世界認識に基づくアプローチは、制度的・科学的枠組みに立脚してきた生態系管理・土地利用政策を根本から問い直す契機となる。
 また、人間のウェルビーイングと地球環境問題の双方に応えるには、画一的な手法では限界があり、地域の文化・自然条件・内発的価値に根ざしたアプローチが重要である。都市だけでなく地域からの視点を重視し、多様性と包摂性を軸とした新たな「人と自然」関係の再構築が求められる。
 本シンポジウムでは、倫理・文化・言語・認識論など多様な視点から最新の知見を共有し、ウェルビーイング向上と自然共生社会に向けた可能性を議論する。さらに、分野横断的な連携を通じて、現代社会・地域社会が抱える課題に学術がどう貢献できるかを展望する。

イベント概要

開催日時 令和8(2026)年5月23日(土)14:00~17:00
開催地 オンライン開催
対象 どなたでもご参加いただけます
参加費 無料
プログラム
総合司会:森本 淳子(日本学術会議連携会員/北海道大学大学院農学研究院教授)
14:00 開会挨拶および趣旨説明
大黒 俊哉(日本学術会議連携会員/東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
14:05 第1セッション「多様な世界観から捉え直す「自然-人間」関係」
『関係的存在論としての「自然-人間」関係』
井上 真(日本学術会議連携会員/早稲田大学人間科学学術院教授)
『仏教思想と環境世界』
岡田 文弘(身延山大学講師(特任)
『生物多様性保全・生態系管理における「自然-人間」関係』
吉田 丈人(日本学術会議連携会員/東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
15:10~15:20 休憩(10 分)
15:20 第2セッション「地域に根ざしたウェルビーイングの探求」
『伝統知・地域知に基づく里山里海の「自然-人間」関係とランドスケープアプローチ』
深町 加津枝(日本学術会議連携会員/京都大学大学院地球環境学堂准教授)
『都市における「自然-人間」関係とウェルビーイング』
村上 暁信(日本学術会議連携会員/筑波大学システム情報系教授)
『ローカル経済からの「自然-人間」関係の再構築:地域伴走型の実践とネイチャー・ポジティブへの移行』
香坂 玲(日本学術会議連携会員/東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
16:25 総合討論
進行:大黒 俊哉(日本学術会議連携会員/東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
16:55 閉会挨拶
森口 祐一(日本学術会議第三部会員/東京大学名誉教授/国立環境研究所名誉研究員)
 申込方法 以下のリンク先ページよりお申込みください。
参加申し込みフォームへのリンク
 お問い合わせ先 田島夏与 日本学術会議連携会員/立教大学経済学部教授
メールアドレス:ktajima(a)rikkyo.ac.jp ※(a)を@にしてお送りください。
備考 主催:日本学術会議環境学委員会・統合生物学委員会合同自然環境分科会
後援:公益社団法人 日本造園学会