公開シンポジウム「医科学知は誰のものか?―医科学による管理と<生の自己決定>をめぐる対話―」
公開シンポジウム「医科学知は誰のものか?―医科学による管理と<生の自己決定>をめぐる対話―」 19世紀以降、医科学的知識(以下、医科学知)は、かつてない規模で社会に浸透し、私たちの「生」のあり方を根底から問い直す力となった。ミシェル・フーコーが「バイオポリティクス(生政治)」として鋭く洞察したように、近代国家は国民の健康と生命を集合的に管理・統制する統治技術として医科学知を戦略的に用いてきた。一方で、近年、医科学知を市民が自らの生を営むための「コモン・ナレッジ(common knowledge)」として捉えようという動きも出ている。医科学知は、誰によって、どのような目的で生産・利用され、いかに社会に共有されるべきなのか。これに対する普遍的な答えはなく、その時々の状況に応じて捉えられるものであろうが、まさに現代は、その知の社会的循環のあり方をめぐる根源的な問いが我々に突きつけられている時代と言えよう。
本シンポジウムは、医科学知をめぐって展開されてきた歴史的・理論的文脈を踏まえ、現代におけるその社会的あり方を多角的に検討し、未来への展望を拓くことを目的とする。そのために、異なる歴史的背景を持つ三つの事例に着目する。一つ目は、市民による権利要求と健康管理の責任が交錯するアメリカの「バイオシティズンシップ」。二つ目は、制度化された市民参加を通じて専門家と市民の非対称性の是正を目指すフランスの「医療民主主義」の実践とその課題。そして三つ目が、独自の社会的文脈のなかでケアと自己決定の問題が模索されてきた日本の学校教育における「医療的ケア」の現状である。これらを元に、統治と抵抗、権利と責任、専門性と公共性といった錯綜する力学を解き明かしながら、これからの医科学知のあり方について議論したい。
イベント概要
| 開催日時 | 令和8(2026)年3月14日(土)14:30~18:00 |
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| 開催地 | オンライン開催 |
| 対象 | どなたでも参加いただけます |
| 定員 | 200人 |
| プログラム |
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| 申込み | 参加費無料・要事前申込 以下の参加申し込みフォームより、申し込み 参加申し込みフォームへのリンク |
| 問い合わせ | メールアドレス: msan(a)hiroshima-u.ac.jp 三時眞貴子(日本学術会議連携会員) ※(a)を@に置き換えてご使用ください。 |
| 備考 | 主催:日本学術会議史学委員会・哲学委員会合同科学技術・学術の政策に関する歴史的・理論的・社会的検討分科会 共催:科学研究費学術変革領域(A)「尊厳学の確立:尊厳概念に基づく社会統合の学際的パラダイムの構築に向けて」(領域代表 加藤泰史)B01班「各国憲法や生命倫理法等の比較に基づく尊厳概念の法的分析」(班代表 建石真公子) |