公開シンポジウム「産官学で推進する地域創生:ブルーカーボンがもたらす可能性」

 陸前高田市は東日本大震災からの復興を進めつつも、人口減少や地域経済の活性化といった課題に対応する必要が生じている。その中で、地域資源の活用、特に海藻や干潟などの海洋生態系が二酸化炭素を吸収・固定する仕組みを活用する脱炭素社会の実現に向けた新しい取り組みを検討し、地域創生を目指している。
 この取り組みを踏まえて本シンポジウムでは、大学などの研究機関における最新の研究成果、市役所の地域政策、企業の実践力を結びつけることで、ブルーカーボンを軸にした新しい地域創生のあり方を議論し、また研究成果の社会実装、特に新たな産業・雇用の創出の可能性を議論する。特に気候変動対策は国際的な課題であり、ブルーカーボンの取り組みは世界レベルで注目されている中で、陸前高田市が先進的な取り組みを進めることで、復興を超えて「持続可能なモデル地域」として国内外へ発信できる意義を有している。シンポジウムを通じて、ブルーカーボンの意義や可能性を市民にわかりやすく伝えることで、地元住民が主体的に参加し、地域全体で持続可能な未来づくりを推進する基盤が育まれることが期待できる。

イベント概要

開催日時 令和7(2025)年12月13日(土)13:30~17:30
開催地 岩手県陸前高田市コミュニティーホール(オンライン併用)
対象 どなたでも参加いただけます。
プログラム
総合司会:関谷 直也(日本学術会議連携会員/東京大学大学院、情報学環総合防災情報研究センター教授)
13:30-13:40 開会挨拶
中嶋 康博(日本学術会議第二部会員/女子栄養大学栄養学部教授)

第一部 地域創生とカーボンニュートラル

13:40-14:10「基調講演:復興から現在までの振り返りと未来への展望」
佐々木 拓(陸前高田市長)
14:10-14:40「民間企業による持続可能な地域創生」
金柱 守(株式会社ニッスイ漁業養殖推進部長)
14:40-15:10「海藻養殖による地域創生を目指した研究推進と産業実装」
佐藤 陽一(理研食品㈱取締役/原料事業部長)

第二部 ブルーカーボンの科学

15:10-15:40「海草・海藻藻場による二酸化炭素貯留機能とコベネフィット」
堀 正和(日本学術会議連携会員/水産研究・教育機構沿岸生態系暖流域グループ長)
15:40-16:10「バイオミネラリゼーションと炭素循環」
鈴木 道生(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
16:10-16:40「広田湾における海草類等がもたらす炭素貯留量」
松政 正俊(岩手医科大学教養教育センター教授)

第三部 産官学で盛り上げる地域創生

16:40-17:25 パネルディスカッション
モデレーター
八木 信行(日本学術会議連携会員/東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
パネリスト
小山 良太(日本学術会議連携会員/福島大学食農学類教授)
有働 恵子(日本学術会議連携会員/東北大学大学院工学研究科教授)
東海 正(日本学術会議連携会員/東京海洋大学名誉教授)
17:25-17:30 閉会挨拶
大越 和加(日本学術会議第二部会員/東北大学大学院農学研究科教授)
 申込み 参加費無料・会場参加は事前申込不要・オンライン参加は事前登録必要
※申込が必要な場合
以下のリンク先のページよりお申込み下さい。
参加申し込みフォームへのリンク
 問い合わせ お問い合わせフォームへのリンク
備考 主催:食料科学委員会・農学委員会合同東日本大震災に係る食料問題分科会、食料科学委員会水産学分科会
共催:岩手県陸前高田市
後援:日本農学アカデミー、公益財団法人農学会、公益社団法人日本水産学会、復興農学会、福島大学、東京大学大学院農学生命科学研究科