公開シンポジウム「スポーツとは何か ― 科学が問いかける身体、社会が求める共生」

 スポーツを取り巻く環境は著しく変化している。そこで本シンポジウムでは「スポーツとは何か」という根源的な問いに改めて向き合い、議論をしていく(全3回の開催を予定)。本年6月21日に開催した第1回は「スポーツを取り巻く情報とテクノロジー」について取り上げて情報共有および議論を行った。
 今回(第2回)は、多様な人々が楽しむスポーツ環境の構築においては、身体に介入する科学の入口としてのスポーツのあり方を考える。第1部では、ドーピングとゲノム情報の視点からの議論を通し、「身体の豊かさ」とはどのようなことか、スポーツはこの側面から社会全体の発展にいかに貢献することができるかを展望する。第2部では、現代のスポーツ・運動実践は、無意識のうちに「できる/できない」「健常/障がい」といったラベルに基づいて構築されてきた側面があることに着目する。「ひとを障がい者として分類するみえない力」にスポーツはどのように向き合えるのかを問い、分類の「有用性」と「限界」の両側面から、医療・福祉・教育の現場での実践や課題を共有する。最終的に、誰もが「共に楽しめるスポーツの機会」とは何か、そしてそれがもたらす「豊かさ」とは何かを参加者と共に考える。

イベント概要

開催日時 令和7(2025)年12月7日(日)13:00 ~ 17:00
開催地 早稲田大学リサーチ・イノベーション・センター(121号館)
地下1階コマツ100周年記念ホール(東京都新宿区早稲田鶴巻町 513)(ハイブリット開催)
対象 どなたでも参加いただけます
定員 現地:150名、オンライン:300名
プログラム
13:00 開会挨拶
山口 香(日本学術会議第二部会員/筑波大学体育系教授)

第一部「身体に介入する科学とスポーツ:ドーピングとゲノム情報の視点から考える」

◇第一部総合司会
來田 享子(日本学術会議連携会員/中京大学スポーツ科学部教授)
13:10『ドーピングに関わる科学の最前線・エンハンストゲームズの登場』
竹村 瑞穂(東洋大学健康スポーツ科学部准教授)
13:30『遺伝医学の進展と倫理的・社会的課題』
三宅 秀彦(日本学術会議連携会員/お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授)
13:50『ゲノム情報はスポーツする身体に何をもたらすか』
石井 哲也(日本学術会議連携会員(特任)/北海道大学安全衛生本部教授)
14:10『身体に介入する科学に関する人権と法的ルールの現状と課題』
建石 真公子(日本学術会議連携会員/法政大学名誉教授)
14:30~14:45 休憩(15分)

第二部「見えない境界を越えるスポーツ:多様なひとたちと共に生きる機会の創造」

◇第二部総合司会
朝田 芳信(日本学術会議連携会員/鶴見大学歯学部小児歯科学講座教授)
14:45『診断名の先にある個別の可能性を拓く』
藤原 清香(東京大学医学部附属病院准教授)
15:05『神経発達症児童の遊びを通じた発達支援、特別支援学校の地域部活動の取り組み』
広瀬 統一(日本学術会議連携会員/早稲田大学スポーツ科学学術院教授)
15:25『よかよか、ごちゃまぜ、共に生きる:インクルーシブが社会を豊かにする』
堀川 直希(のぞえの丘病院院長)
15:45~15:55 休憩(10分)

総合討論「誰もが参加できるスポーツとは、それがもたらす豊かさとは」

◇総合討論司会
宮地 元彦(日本学術会議連携会員/早稲田大学スポーツ科学学術院教授)
15:55 総合討論
16:55 閉会の挨拶
宮地 元彦(日本学術会議連携会員/早稲田大学スポーツ科学学術院教授)
 申し込み 参加費無料・事前申込要
以下のリンク先申込フォームより、申し込みください。
申込フォームへのリンク
 問い合わせ先 中村 真理子(国立スポーツ科学研究所)
E-mail: mariko.nakamura(a)jpnsport.go.jp ※(a)を@にしてお送りください。
備考 主催:日本学術会議健康・生活科学委員会健康・スポーツ科学分科会
共催:日本スポーツ体育健康科学学術連合(JAASPEHS)
後援:未定