公開シンポジウム「分断化する社会の中で対話は可能か――ポスト・ソーシャルメディア時代の社会構築」

 今日の社会における利害や意見の対立は、共存や相互承認に至ることなく、激しい分断へと導かれている。この分断は、コロナ禍によって対面交流が制限されるなか、ソーシャルメディアによって加速している。ソーシャルメディアや動画共有サイトの発達は、人々の情報共有を容易にしたが、考えが異なる者を敵とみなし攻撃することも日常化してしまった。
 他方、SNSを利用した虚偽の政治宣伝への批判、若年層へのSNSの禁止、AI開発の制限、ネット使用の自己抑制など、情報技術に対抗するポスト・ネット文化とも呼べる新しい方向性が生まれつつある。この傾向が、さらに従来の社会の分断を大きくする可能性を孕んでいる。
 そこで、本公開シンポジウムでは、ソーシャルメディアによって変容した現代の人間関係を踏まえながら意見の異なった人々を無視し、社会を分断するのではなく、自分たちの間にある差異や対立、緊張を対話によって表現し、社会へと成長させることができるのか、その可能性を追求していく。

イベント概要

開催日時 2025年12月21日(日)13:00-17:00
開催地 立教大学池袋キャンパス11号館AB01教室(ハイブリッド開催)
対象 どなたでも参加いただけます
定員 300人(対面)
プログラム
  • 司会(第一部)
    吉水 千鶴子(日本学術会議第一部会員/筑波大学人文社会系名誉教授/公益財団法人東洋文庫研究部研究員/日本宗教研究諸学会連合副委員長)
  • 司会(第二部)
    河野 哲也(日本学術会議第一部会員/立教大学文学部教授/日本哲学系諸学会連合事務局長)
開会挨拶・趣旨説明
河野 哲也(日本学術会議第一部会員/立教大学文学部教授/日本哲学系諸学会連合事務局長)

第一部 講演とパネルディスカッション

話題提供1:「自己デザインに抵抗する〈私〉――誰かといる不自由を自由に選ぶ」
岩内 章太郎(豊橋技術科学大学准教授)
話題提供2:「洞窟の中の〈私〉、洞窟に映る〈世界〉――ポストメディア時代を考える」
遠藤 薫(日本学術会議連携会員/学習院大学名誉教授)
話題提供3:「ソーシャルメディアと「家族の価値」――宗教者女性が支える米国草の根保守」
佐藤 清子(東京大学大学院人文社会系研究科助教)
話題提供4:「SNSにおける論破のコンテンツ化とその影響」
戸谷 洋志(立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授)
  • パネルディスカッション・コメンテイター
    吉岡  洋(日本学術会議第一部会員/京都芸術大学文明哲学研究所・教授、哲学委員会会員)

第二部 哲学カフェ――第一部講演をテーマとして

総合ファシリテータ
河野 哲也(日本学術会議第一部会員/立教大学文学部教授/日本哲学系諸学会連合事務局長)
グループに分かれての一般参加者と話題提供者にいる哲学対話
全体統括
閉会挨拶
中村 征樹(日本学術会議第一部会員/大阪大学全学教育推進機構教授)
 申込み 参加費無料・要事前申込
下記リンク先もしくはポスター右のQRコードより申込み
参加登録フォームへのリンク
 問い合わせ 日本宗教研究諸学会連合事務局
メールアドレス:office.jfssr2008(a)gmail.com ※(a)を@にしてお送りください。
備考 主催:日本学術会議哲学委員会
共催:日本哲学系諸学会連合、日本宗教研究諸学会連合