公開シンポジウム「第30回史料保存利用問題シンポジウム「危機にある「戦争関連資料」-歴史的文化遺産として残すために-」」

 2025年は日本の終戦から80年を迎える節目の年にあたる。この間に戦争体験者はきわめて少数となり、関係者が遺した記録や遺品・遺物の散逸や、関係した遺構・遺跡等が消滅しかねないことが危惧されている。
 「戦争関連資料」には、行政文書をはじめ、個人の体験を記録した日記や手紙のほか、写真・映像・絵画・記念碑・慰霊碑等の多岐にわたるアーカイブズがあり、「語り部」による「証言記録」オーラル・ヒストリーも含まれるが、現状ではそれらの収集・保存・公開が、関係機関において整備されているとはいえない状況にある。
 一方で近年は、旧日本軍の軍事施設等が戦争遺跡として注目され、全国各地で文化財に指定する動きや、自治体が都市空襲についての調査委員会を立ち上げ、市民を中心とした空襲の調査研究活動から資料館建設に至ったケースも見られるなど、戦争の記憶を風化させないための新たな動きも始まっている。
 このような趣旨のもとに、別添の各報告をお願いした。これらの報告と、パネルディスカッションでの議論を通して、危機にある「戦争関連資料」を歴史的文化遺産として残すためにいま何が必要なのかについて議論し、問題提起としたい。

イベント概要

開催日時 2025年6月28日(土)13:30~17:30
開催地 一橋大学東2号館2201室(オンライン併用)
対象 どなたでも参加いただけます
プログラム
総合司会:大橋 幸泰(日本学術会議会員 早稲田大学教授)
開会挨拶:若尾 政希(日本歴史学協会委員長 一橋大学名誉教授)

問題提起

『戦争関連資料』の保存状況について
東山 京子(中京大学社会科学研究所研究員)

報告

『戦後80年』で求められること―平和博物館の経緯と課題―
山辺 昌彦(公益財団法人政治経済研究所主任研究員)
戦争記念碑・慰霊碑の歴史資料的価値について
檜山 幸夫(中京大学名誉教授)
国史跡『陸軍板橋火薬製造所跡』の保存と活用
鈴木 淳(東京大学大学院教授)
前橋空襲と復興資料館開館について
手島 仁(群馬地域学研究所代表理事

パネルディスカッション

パネリスト:東山京子/山辺昌彦/檜山幸夫/鈴木 淳/手島 仁
司会:新井浩文(日本歴史学協会史料保存利用特別委員会委員長)
吉田政博(日本歴史学協会文化財保護特別委員会幹事)
閉会挨拶:松本 直子(日本学術会議会員 岡山大学教授)
 申込み 参加費無料・オンライン参加者は要事前申込、会場来場者は事前申込不要
以下のリンク先のページよりお申込み下さい
オンライン参加申し込みフォームへのリンク
 問い合わせ メールアドレス:CQX06173(a)nifty.com  ※(a)を@にしてお送りください。
備考 主催:日本歴史学協会、日本学術会議史学委員会、日本学術会議史学委員会アーカイブズと社会に関する分科会
後援:全国歴史資料保存利用機関連絡協議会、日本アーカイブズ学会、日本考古学協会