公開シンポジウム「これからの森林管理-木材生産と生態系保全の両立を目指して」
森林は、地球温暖化対策と生物多様性保全の役割が期待されている。地球温暖化対策としては、森林の吸収源機能とともに木材による化石資源の代替機能も求められており、「都市の木質化」も進められている。生物多様性保全については、木材生産との両立を目指した「保持林業」も試みられており、森林環境税・森林環境譲与税や森林経営管理制度が導入され、カーボンオフセットを目的としたJ-クレジット制度も始まるなど、森林管理に対する社会的要請や経済的環境も変わってきている。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)など、企業活動に起因する気候変動や生物多様性損失に関連する情報開示を企業に求める動きも高まっている。
森林・林業基本計画(令和3年6月)では、我が国の森林の約4割に相当する戦後に造成された人工林(令和4年3月末現在1009万ha)の多くが、資源として利用可能な段階を迎えていることから、自然的・社会的条件を勘案しつつ、将来的には660万haに減じ、将来にわたり森林が多面的機能を高度に発揮していくため、様々な成育段階や樹種がバランス良く配置された望ましい森林の姿へと誘導する方針が示されている。人工林面積の64%を私有林が占めており、どの人工林を経済林として維持するか、どの人工林を環境林に誘導するかなどの判断が、私有林を中心に進められることになる。現状では、人工林経営の採算性が低いことから、再造林放棄地の増加や林業就労者の減少、特に造林作業の担い手の減少、中山間地域のコミュニティの衰退などが、将来の森林資源造成の課題となっている。本シンポジウムでは、森林に対する社会的要請に応えるための森林管理のあり方について、計画や技術、経済の観点から考え、社会実装するための議論の場としたい
イベント概要
開催日時 | 令和7(2025)年6月7日(土)13:00 ~ 15:30 |
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開催地 | オンライン開催 |
対象 | どなたでも参加いただけます。(無料・要事前登録) |
定員 | なし |
プログラム |
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申し込み | 5月31日(土)までに添付ポスターのQRコードよりご登録ください。 |
問合せ先 | scj.ringaku(a)gmail.com ※(a)を@にしてお送りください。 (日本学術会議農学委員会林学分科会 シンポジウム担当) |
備考 | 主催:日本学術会議農学委員会林学分科会、統合生物学委員会・基礎生物学委員会合同生態科学分科会、環境学委員会・統合生物学委員会合同自然環境分科会 共催:一般社団法人日本森林学会 後援:一般社団法人日本木材学会、一般社団法人日本生態学会 |