公開シンポジウム「生活習慣がその発症・進行に関与する疾病予防のための最適な社会環境づくりと多様な担い手による支援」

 生活習慣病は、日本における主要な健康課題の一つであり、その予防には個人の行動変容に加え、社会的・環境的要因への包括的な対応が求められる。近年の研究や政策動向を踏まえ、ライフコースの視点を取り入れた予防戦略、多職種連携の促進、ICTの活用、健康格差の是正、スティグマの軽減など、より総合的かつ実効性のある対策が重要視されている。本シンポジウムでは、こうした視点をもとに、生活習慣病予防の最適な社会環境づくりと、多様な担い手による支援のあり方について多角的に議論するとともに、生活習慣病の概念とその予防に関する社会的支援の枠組みについて検討を深める。特に、健康行動を支える環境整備のあり方や、社会的規定因子への対応、学校保健や地域での健康教育の強化、多職種連携による予防策、専門家へのアクセス向上など、幅広いテーマを取り上げ、今後の政策立案や実践につなげることを目的とする。
 各講演では、生活習慣病予防に関する最新の知見や政策の方向性、実践的な取り組みが紹介される。個人の健康行動を促進するための社会的支援、管理栄養士をはじめとする専門職の養成と卒後教育、多職種連携を活かした予防策の展開、ICT技術の活用、さらにはスティグマの軽減を意識した実践的アプローチなど、各分野の専門家が多角的な視点から議論を深める。また、質疑応答を通じて、参加者との双方向的な意見交換を図り、実効性のある施策のあり方を探る。
 さらに、総合討論では、異なる専門分野の知見を融合し、今後の社会環境整備の方向性を具体的に検討する。特に、誰一人取り残さない健康づくりを実現するための課題を明確にし、医療、行政、教育、地域社会が連携して果たすべき役割について議論を深める。本シンポジウムを通じて、生活習慣病対策の新たな指針を示し、社会全体の予防意識の向上と、多様な主体による協働を促進する契機とすることを目指す。

イベント概要

開催日時 令和7年(2025年)5月24日(土)15:50~18:30
開催地 オンライン開催
対象 どなたでも参加いただけます
プログラム
座長
水野 篤(日本学術会議連携会員(特任)/聖路加国際病院医療の質管理室室長)
八谷 寛(日本学術会議連携会員/名古屋大学大学院医学系研究科教授)
15:50 「厚生労働省における生活習慣病に関する施策と課題(仮)」
松岡 輝昌(厚生労働省 健康・生活衛生局 健康課長)
16:20 「地域における生活習慣病予防支援、多職種連携~社会経済背景をふまえた保健師の視点:健診未受診者の実態から考える~」
和泉 京子(武庫川女子大学看護学部看護学科教授)
16:50 「管理栄養士の立場から考える「生活習慣病」と「多職種連携」」
由田 克士(大阪公立大学大学院生活科学研究科教授)
17:20 「学校保健教育の立場から考える「生活習慣病」」
高橋 浩之(放送大学千葉学習センター所長/千葉大学名誉教授)
17:50 総合討論
18:30 閉会
 申し込み 参加費無料・事前申込要
参加をご希望の方は、以下リンク先の申込フォームよりお申し込みください。
参加登録ページへのリンク
 問い合わせ先 市民公開シンポジウム内容に関するお問い合わせ先:八谷 寛
E-mail: h828(a)med.nagoya-u.ac.jp ※(a)を@にしてお送りください。

参加方法や学術集会に関するお問い合わせ先:運営支援事務局
E-mail: jscdp61(a)clin-med.org ※(a)を@にしてお送りください。
備考 主催:日本学術会議健康・生活科学委員会・臨床医学委員会合同生活習慣病対策分科会
共催:一般社団法人日本循環器病予防学会