公開シンポジウム「環境リスクと正義」

 人類の活動が関連する気候変動や生物多様性の損失に伴う地球環境変化や化学物質等の管理の状況は、人を含む生態系や社会に様々なリスクをもたらしている。持続可能な開発目標では、人の健康やウェルビーイングの公正性の実現を目指しているが、世界各地の貧困問題、経済格差は、公正性の実現を複雑にしている。様々なリスクへの対応策は公正性の実現に一定の貢献が期待されるが、政治的、社会的、文化的条件により、その貢献の度合いは異なっている。
 日本学術会議環境学委員会・健康・生活科学委員会合同環境リスク分科会は、「プラスチックのガバナンス」「プラネタリーヘルス研究」「人類と地球の持続可能な共生社会」をテーマとしてシンポジウムを開催し、様々なリスクとその影響を分析するとともに、課題を解決する社会実践を重視する「プラネタリーヘルス」のアプローチについても検討してきた。
 本シンポジウムは、環境リスクと人間の健康やウェルビーイング、生態系の健全性を考えるなかで、地域間の格差やそれをめぐる責任について、議論する。そして、正義の観点からの議論について理解を深め、人類が直面する環境リスクに世界の様々な立場の人と立ち向かうにあたって必要な視点について、議論を行う。

イベント概要

開催日時 令和7年(2025年)3月21日(金)15:30~17:00
開催地 ソニックシティホール 2階 小ホール(埼玉県さいたま市大宮区桜木町1丁目7−5)
会場アクセス
対象 どなたでもご参加いただけます。
参加費 無料
プログラム
座長
上田 佳代(日本学術会議連携会員、北海道大学大学院医学研究院教授)
中村 桂子(日本学術会議連携会員、東京科学大学大学院医歯学総合研究科国際保健医療事業開発学分野教授)
15:30 開会挨拶
中村 桂子(日本学術会議連携会員、東京科学大学大学院医歯学総合研究科国際保健医療事業開発学分野教授)
15:35 基調講演「プラネタリー・ジャスティス」
宇佐美 誠(日本学術会議連携会員、京都大学大学院地球環境学堂教授)
16:05 質疑応答
16:10 パネルディスカッション:「プラネタリーヘルス、環境リスク管理の視点から」
〇ベトナム山岳地域における気候変動と健康
鹿嶋 小緒里(日本学術会議連携会員、広島大学IDEC国際連携機構プラネタリーヘルスイノベーションサイエンスセンター(PHIS)センター長/広島大学大学院先進理工系科学研究科准教授)
〇プラネタリーヘルスダイエットへの取り組み
春日 文子(日本学術会議連携会員、長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科/プラネタリーヘルス学環教授)
〇国際的な化学物質管理
藤井 健吉(日本学術会議連携会員、花王株式会社研究開発部門研究主幹/研究戦略・企画部部長)
16:30 総合討論
  • 宇佐美 誠(日本学術会議連携会員、京都大学大学院地球環境学堂教授)
  • 鹿嶋 小緒里(日本学術会議連携会員、広島大学IDEC国際連携機構プラネタリーヘルスイノベーションサイエンスセンター(PHIS)センター長/広島大学大学院先進理工系科学研究科准教授)
  • 春日 文子(日本学術会議連携会員、長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科/プラネタリーヘルス学環教授)
  • 藤井 健吉(日本学術会議連携会員、花王株式会社研究開発部門研究主幹/研究戦略・企画部部長)
16:55 閉会挨拶
橋爪 真弘(日本学術会議連携会員、東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授)
 申込⽅法 直接会場へお越しください。
 お問い合わせ先 環境リスク分科会公開シンポジウム事務局
whocc.ith*tmd.ac.jp(*を@にしてください)
備考 主催:環境学委員会・健康・生活科学委員会合同環境リスク分科会/第95回日本衛生学会学術総会
共催:プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ