公開シンポジウム「総合的病害虫・雑草管理の課題と望まれる新技術」

 人間が生きるうえで不可欠である食料に関する種々の課題は、「食料問題」と呼ばれています。しかし、この言葉には、食料の危機と安全性の問題のどちらかあるいは両方が含まれます。危機は、世界的な人口増加、国際情勢による流通への影響、気候の変化に伴う食料不足、安全性の問題は、環境の劣化への懸念と、栽培中に使用される化学物質が体に吸収されても安全が保たれるかどうかという問題です。近年では、2022年(令和4年)に本格運用された「みどりの食料システム戦略」の、化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減と有機栽培の取組み面積の拡大(100万ha)が安全性に、食料自給率の向上を重要課題のひとつとして改めて提示された点が食料の危機に向けた取り組みといえます。一見、相反するかのような両課題の実現には、これまでに培われた知恵と新たな科学技術を駆使することが必要です。
 そこで、今年度は植物保護にとって温故知新となる視点から「総合的病害虫・雑草管理の課題と望まれる新技術」と題して話題を提供していただき、皆様と現状を共有したく思います。

イベント概要

開催日時 令和6年(2024年)11月30日(土)13:00~16:50
開催地 Zoom によるオンライン配信
対象 どなたでも参加いただけます。
定員 500名
プログラム
13:00~13:10 開会挨拶
渡辺 京子(日本学術会議第二部会員・玉川大学教授・植物保護科学分科会委員長)
13:10~13:45 超音波を用いた新しい物理的害虫防除技術 –コウモリから逃げる蛾-
中野 亮(農研機構植物防疫研究部門上級研究員)
座長:日本 典秀(京都大学農学研究科教授)
13:45~14:20 ジャガイモシストセンチュウの防除に向けて -孵化促進物質の単離構造決定と生合成研究-
水谷 正治(神戸大学大学院農学研究科教授)
座長:中野 雄司(京都大学大学院生命科学研究科教授)
14:20~14:55 農業生産環境に広く分布するマイコウイルスの性状解析とその活用に関する構想
森山 裕充(東京農工大学大学院農学研究院教授)
座長:松田 一彦(日本学術会議 連携会員・近畿大学農学部教授)
15:10~15:45 ヘソディムに基づく土壌病害の予防的管理の重要性と今後の展望
吉田 重信(日本学術会議連携会員・農研機構植物防疫研究部門グループ長)
座長:染谷 信孝(農研機構植物防疫研究部門上級研究員
15:45~16:20 雑草の有害化を回避するためのデータ活用可能性とその展望
松橋 彩衣子(農研機構植物防疫研究部門主任研究員)
座長:西田 智子(日本学術会議連携会員・農研機構理事)
16:20~16:50 総合討論
松本 宏(日本学術会議連携会員・筑波大学名誉教授)
 申込み 参加費無料・・事前申込要
(申し込み先)松本 宏  E-mail: hmatsu(a)biol.tsukuba.ac.jp ※(a)を@にしてお送りください。
 問合せ先 松本 宏  E-mail: hmatsu(a)biol.tsukuba.ac.jp ※(a)を@にしてお送りください。
備考 主催:日本学術会議農学委員会植物保護科学分科会
共催:日本植物保護科学連合(日本植物病理学会、日本応用動物昆虫学会、日本農薬学会、日本雑草学会、植物化学調節学会)