研究データ基盤の確立と発展は、科学研究において中核的な役割を果たしている。現代科学は、大規模なデータセットを扱うことが一般的となり、これらのデータの管理、保存、アクセス、再利用が研究成果の質を大きく左右する。しかしながら、効率的でセキュアな研究データ基盤の構築は多くの研究機関で未だ十分とは言えず、最新の技術が広く普及しているとは限らない。このシンポジウムでは、研究データ基盤の現状と課題を全体的に俯瞰し、データ管理技術、データセキュリティ、オープンサイエンスの推進、さらには我が国の研究力強化に向けた新しいアプローチを探求する。
第1部では、文部科学省、米国NSF、駐日欧州連合代表部等から講演者をお招きし、国内外の科学政策の戦略的なポイントとその最新動向について深い理解を得る機会を提供する。
第2部では、研究データの管理・利活用の先端的な取り組みを紹介し、オープンサイエンスおよびデータ駆動型研究の推進に向けた将来的な展望について論じる。
イベント概要
開催日時 |
令和6年(2024年)7月5日(金)13:00~17:10 |
開催地 |
日本学術会議講堂(東京都港区六本木7-22-34)(ハイブリッド開催) |
対象 |
どなたでもご参加いただけます。 |
参加費 |
無料 |
プログラム |
- 司会 佐古 和恵(日本学術会議第三部会員、早稲田大学理工学術院教授)
- 13:00 開会挨拶
- 下條 真司(日本学術会議第三部会員、情報学委員会委員長、青森大学ソフトウェア情報学部教授、大阪大学名誉教授)
第一部 研究データ基盤の戦略と政策
- 13:10 「わが国のオープンサイエンス政策について」
- 国分 政秀(文部科学省研究振興局参事官(情報担当))
- 13:30 "Overview of US National Science Foundation Investments in Computing and Information Science and Engineering, and Artificial Intelligence"
- Dilma Da Silva(米国NSF, Acting Assistant Director of Directorate for Computer & Information Science & Engineering)
- 14:00 "Update on digital research and technology policies in the EU"
- Lee Woolgar(駐日欧州連合代表部 情報通信政策オフィサー)
概要:This talk will outline recent developments in the EU for digital technologies. It will introduce recent funding priorities for the support of R&D and more general policies underlying digital technologies, such as for data, AI, and advanced computing. Following the introduction of the EU-Japan Digital Partnership in 2022, the contours of EU-Japan digital cooperation will also be explained.
- 14:20 「⽇本の競争⼒強化に資する研究データ活⽤基盤整備」
- 江村 克己(日本学術会議連携会員、AI等の活用を推進する研究データエコシステム構築事業推進委員会委員長/福島国際研究教育機構 理事)
- 14:40~14:50 (休憩)
第二部 オープンサイエンスとデータ駆動型研究に向けた研究データ基盤利活用の実践
- 14:50 「複雑系数理モデル学で切り拓く未病研究ー研究データ基盤利活用の観点から」
- 藤原 寛太郎(東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構特任准教授)
- 15:15 「仮題:人文DXを指向する情報基盤の展望と課題 - 京都大学東南アジア地域研究研究所における経験から -」
- 原 正一郎(京都大学東南アジア地域研究所連携教授)
- 15:40 「地域における乳児股関節脱臼の見落としゼロを目指すコミュニティスクリーニングシステム開発とデータの利活用」
- 吉岡 京子(東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻地域看護学分野准教授)
- 16:05 パネルディスカッション
「オープンサイエンス/データ駆動型研究の推進に向けてー研究データ基盤の現状と課題を踏まえてー」
- 司会&ファシリテータ :
永井 由佳里 (日本学術会議第三部会員、北陸先端科学技術大学院大学理事/副学長)
パネリスト : 林 和弘(日本学術会議連携会員、文部科学省科学技術・学術政策研究所データ解析政策研究室長)
- 小林 武彦(日本学術会議第二部会員、東京大学定量生命科学研究所教授)
- 倉田 敬子(国立国会図書館長)
- 西原 基夫(日本電気株式会社執行役 Corporate EVP 兼 CTO)
- Dilma Da Silva (米国NSF, Acting Assistant Director of Directorate for Computer & Information Science & Engineering)
- 田浦 健次朗(日本学術会議第三部会員、東京大学大学院情報理工学系研究科教授)
- Lee Woolgar(駐日欧州連合代表部 情報通信政策オフィサー)
- 山地 一禎(大学共同利用機関法人国立情報学研究所教授)
- 17:00 閉会挨拶
- 黒橋 禎夫(日本学術会議第三部会員、大学共同利用機関法人国立情報学研究所所長/京都大学大学院情報学研究科特定教授)
|
申込⽅法 |
以下のリンク先ページ内の「参加申し込みはこちらから」にあるフォームよりお申込みください。
シンポジウムHPへのリンク
もしくは、ポスターに記載のQRコードからお申込みください。
※申込みの締切日:7月3日(水)12:00正午まで
|
問い合わせ |
以下のリンク先のフォームよりお問い合わせください。
お問い合わせフォームへのリンク |
備考 |
主 催:日本学術会議情報学委員会
共 催:大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)(予定)
後 援:国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、一般社団法人電子情報通信学会、一般社団法人情報処理学会、一般社団法人大学ICT推進協議会(AXIES)(以上すべて予定) |