公開シンポジウム「水産・海洋分野におけるAIの役割と課題」

 スマートデジタル技術を活用した水産業の構造転換や、水産資源や海洋生態系の保全を図る活動が活発化する中で、AIの役割が注目されている。前者については、漁業における漁場探索やセリでの魚を見る力、養殖における餌やりなど、漁業者の経験や勘が活きている分野があげられる。こうした「人」に依存した経験や勘をデータ化して活用することがAIの重要な役割となり、高齢化した漁業者の持つ技術を若い世代に引き渡し、産業として活かすことにつながる。後者については、あらたな環境/生態系/水産資源モニタリングの展開と、収集されたビッグデータの学習により再帰型AI等による将来予測が期待される。さらにAIは、生産・流通システム全体の最適化のほか、ビッグデータの解析などを通じて研究開発や人材育成にも広く影響が及ぶと期待される。また、水産現場や各種モニタリングにおいて、無人化あるいは省人化が今後ますます必要になり、その実現のためにAIを含めたデジタルツインの手法が活用されると見込まれる。本シンポジウムでは水産・海洋分野におけるAIの役割と課題を考えることにより、漁業・養殖業のあり方や水産・海洋科学の将来像を展望する。

イベント概要

開催日時 2023年12月15日(金)13:00 ~ 17:30
開催地 オンライン開催(Zoom)
対象 どなたでも無料で参加いただけます(参加費無料、要事前登録)
定員 1000名
プログラム
13:00-13:10 開会挨拶と趣旨説明
大越 和加(日本学術会議第二部会員、東北大学大学院農学研究科)
基調講演
13:10-13:40 「AIで何ができるか/何をするか?-AI利用の現状・展望と課題」
和田 時夫((社)全国水産技術協会)
『スマート水産業の推進』
座長:笠井 久会(北海道大学大学院水産科学研究院)
13:40-14:05 「スマート水産業の施策」
金子 貴臣(水産庁増殖推進部)
14:05-14:30 「AI技術を利用したサンマ漁場予測手法の開発」
矢吹 崇((社)漁業情報サービスセンターシステム企画部)
14:30-14:55 「AI時代の資源評価用体長データ収集のあり方」
柴田 泰宙(国立研究開発法人 水産研究・教育機構水産資源研究所)
14:55-15:20 「養殖業における運用」
萩原 篤志(日本学術会議連携会員、長崎大学水産学部)
15:20-15:30 休憩
『将来展望と課題』
座長:窪川 かおる (帝京大学先端総合研究機構)
15:30-15:55 「微生物生態系のAIモデリングと恒常性評価」
菊地 淳(理化学研究所環境資源科学研究センター)
15:55-16:20 「水産分野におけるAIの可能性」
和田 雅昭(はこだて未来大学システム情報科学部)
総合討論
16:20-17:25
座長:中田 薫 (国立研究開発法人水産研究・教育機構)
パネリスト:石若 裕子((株)ソフトバンクIT&アーキテクト本部アドバンスドテクノロジー推進室)、菊地 淳、柴田 泰 宙、高瀬 美和子(大日本水産会)、萩原 篤志、和田 雅昭
17:25-17:30 閉会の挨拶
佐藤 秀一 (日本学術会議連携会員、福井県立大学海洋生物資源学部)
 申込み 12月9日(土)までに下記リンク先のURLから事前登録してください
申込み登録フォームへのリンク
 問合せ先 古谷 研(日本学術会議連携会員、創価大学)
〒192-8577 東京都八王子市丹木町1丁目236 創価大学 プランクトン工学研究所
FAX: 042-691-8166
E-mail: furuya[a]soka.ac.jp ([a]を@にしてください)
備考 主催:日本学術会議食料科学委員会・同水産学分科会
共催:水産・海洋科学研究連絡協議会、日本農学アカデミ一、日本水産学会
後援:大日本水産会、全国漁業協同組合連合会、水産海洋学会、日本付着生物学会、日本魚病学会、国際漁業学会、日本ベントス学会、日本魚類学会、地域漁業学会、日仏海洋学会、日本海洋学会、日本水産増殖学会、マリンバイオテクノロジー学会、日本水産工学会、 日本プランクトン学会、漁業経済学会、日本藻類学会、日本海洋政策学会