中部地区会議学術講演会「微生物がつなぐ文理融合研究-野生酵母クラフトビールと地域振興」

 2010年代以降日本各地で本格的なクラフトビールの製造が行われるようになっています。各ブルワリーは製造方法や風味を洗練させるだけでなく、その土地との結びつきを活かし、さまざまな付加価値を付与して、差別化を試みています。そのようなクラフトビール自体に消費者の関心が集まる一方、クラフトビールツーリズム、つまりブルワリーやビアバー巡りによる観光とそれによる地域づくりも注目されるようになっています。
 日本におけるクラフトビールづくりの最先端のひとつが、植物の花などから採取した酵母(野生酵母)を用い製造する試みです。地域の名所、なかでも歴史的に由緒ある寺社や史跡などや、地域住民の愛着ある場所から、野生酵母を採取してクラフトビールに活用すれば、物語性を伴った地域の名産品を生み出せるのではないか。そして大学がこのような取り組みに関われば、野生酵母という微生物を介して、生物学、歴史学、経済学、倫理学等による文理融合研究が可能となり、それを通じて地域に貢献できるのではないか。
 今回の学術講演会では、上記の意図により、静岡大学と静岡市、地元企業など産官学が協働して行っているクラフトビールプロジェクトを紹介し、その理論的・実践的意義について個別事例を超えて考えていくことをテーマとしています。

イベント概要

開催日時 2023年12月15日(金)13:00~16:00
開催地 静岡大学静岡キャンパス(静岡県静岡市駿河区大谷836)対面・オンライン併用開催
対象 どなたでも参加いただけます。(事前参加申込制)
参加費 無料
プログラム
13:00~13:10 開会挨拶
静岡大学長 日詰 一幸
13:10~13:20 日本学術会議会長挨拶
日本学術会議会長 光石 衛(日本学術会議会長・第三部会員、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構理事、東京大学名誉教授)
13:20~13:30 主催者挨拶
日本学術会議中部地区会議代表幹事 高田 広章(日本学術会議第三部会員、名古屋大学未来社会創造機構教授)
13:30~13:40 科学者との懇談会活動報告
中部地区科学者懇談会幹事長 松田 正久(同朋大学学長)
13:40~16:00 学術講演会
講演「野生酵母による発酵飲料・発酵食品開発」
A) 野生酵母に学ぶ多様な微生物世界
  丑丸 敬史(静岡大学学術院理学領域生物科学系列教授)
B) 地域の野生酵母が生んだ予想外の展開
  木村 洋子(静岡大学学術院農学領域応用生命科学系列教授)
講演「歴史研究と物語性 ―家康公クラフトを一例として」
松本 和明( 静岡大学学術院人文社会科学領域人間・社会系列准教授)
講演「日本におけるクラフトビールツーリズムの可能性」
横濱 竜也( 静岡大学学術院人文社会科学領域法学系列教授)
16:00 閉会挨拶
司会 日本学術会議中部地区会議運営協議会委員 久木田 直江 〔静岡大学名誉教授〕 
 申込み方法 要事前登録
以下のリンク先にある申込フォームからお申し込みください。
申込フォームへのリンク
登録締切:12月8日(金)※定員になり次第、申込み受付を終了いたします。
 問い合わせ 日本学術会議中部地区会議事務局(名古屋大学研究協力部研究企画課内)
TEL:052-789-2039
静岡大学
TEL:054-238-4316
備考 主催:日本学術会議中部地区会議
共催:静岡大学
後援:公益財団法人日本学術協力財団