公開シンポジウム「災禍の時代の社会学」
2019年末に始まった新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、あっという間に世界を覆い、パンデミック化した。それから4年近くも経った現在も、完全に終息したとは言い難い。パンデミックは社会のさまざまな面に影響を及ぼした。とくに、経済活動の停滞は、雇用状況に大きく影響し、社会的格差の問題が大きく浮上した。また、パンデミックは、社会的孤立や孤独感にも影響を及ぼし、自殺の増加も報じられた。これらの問題の深刻さは各国政府によっても強く認識されてきたところである。
だが、コロナ・パンデミックによって顕著に現れた諸問題は、パンデミックによって突然現れたものではなく、それ以前から問題の素地は存在していたものの、十分に解決されてこなかった諸問題であるといえる。本シンポジウムでは、「自殺」、「教育」、「ケア」という具体的なトピックを題材としてこの点を検討する。
また、これらの問題は、現代社会の基盤をなす「民主主義」や「市民社会」の根幹に関わるものでもある。コロナ・パンデミックに引き続いて生じたロシアによるウクライナ侵攻は、これまでも営々と議論されてきた「民主主義」についてさらに考えていくことの重要性を示してもいる。本シンポジウムでは、「新しい介入主義」「民主主義の二つの形」「〈共〉の社会理論」という視点から、社会学の視角を活かした形で市民社会と民主主義の問題について論じる。
最後に全体討論を行い、個々の報告内容をふまえた上で現代社会が抱える問題の解決の道筋を探るとともに、孤立を超えて連帯するこれからの社会を、多くの参加者とともに展望できればと考えている。
イベント概要
開催日時 | 令和5年(2023年)10月9日(月・祝) 14:00~17:00 |
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開催地 | 立正大学品川キャンパス9号館9B21教室(東京都品川区大崎4-2-16) |
対象 | どなたでも参加いただけます |
定員 | 150名 |
プログラム |
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申込み | 参加費無料・事前申込不要 |
問い合わせ | 日本学術会議社会学委員会社会理論分科会幹事 メールアドレス: sarita(a)iss.u-tokyo.ac.jp ※(a)を@にしてお送りください。 |
備考 | 主催:日本学術会議社会学委員会、社会学委員会社会理論分科会 共催:日本社会学会 |