公開シンポジウム「研究の自動化とAIが切り拓く科学と社会」

 オープンサイエンスとデータ駆動型科学は、より開かれた知識とデータを活用することで、これまでの科学を効率化するだけでなく、科学の姿に新しい局面をもたらし、科学と社会を変容させる駆動力となりつつある。その中でも研究自動化(ARW: Automated Research Workflow) では、人工知能を始めとする先端的デジタル技術やロボット技術等を集約することにより科学的知見を獲得するプロセスの圧倒的加速化に関して手応えが得られつつある。この潮流は、まず、実験の効率化等によって知識生産の労働集約作業から研究者が解放される。さらに、作業仮説を多量のデータから立てることや、人の認知を超えた多量の範囲の探索などを通じてセレンディピティを含む気づきを得る事自体を効率化し、知識創造の労働集約作業から研究者が解放される可能性も持つ。本シンポジウムはオープンサイエンスとデータ駆動型科学の中でも特にそのポテンシャルを最大限に活かしているARW に焦点を当て、世界と日本の状況、アカデミアと企業の取組を紹介し、科学の新しいパラダイム構築に向けた対話の場を設ける。

イベント概要

開催日時 令和5年(2023年)9月1日(金)10:00~17:30
開催地 ハイブリッド開催(現地会場:一橋大学一橋講堂、オンライン:YouTube Live配信)
対象 どなたでもご参加いただけます。
プログラム
進行:林 和弘(日本学術会議連携会員(特任)、オープンサイエンスを推進するデータ基盤とその利活用に関する検討委員会副委員長、文部科学省科学技術・学術政策研究所データ解析政策研究室長)

オープニング

10:00 ~ 10:20 開会と趣旨説明
喜連川 優(日本学術会議連携会員、オープンサイエンスを推進するデータ基盤とその利活用に関する検討委員会委員長、情報・システム研究機構長、東京大学特別教授)
10:20 ~ 10:40 文部科学省からの挨拶
西山 崇志(文部科学省研究振興局基礎・基盤研究課長)

セッション1 ARW を知る

10:40 ~ 11:20 基調講演1:「実験室のシステム化:その世界的動向と展望」
一杉 太郎(日本学術会議特任連携会員、東京大学大学院理学系研究科化学専攻教授、東京工業大学特任教授)
11:20 ~ 12:00 基調講演2:「AI・ロボティックバイオロジーが切り拓く世界」
夏目 徹(産業技術総合研究所細胞分子工学研究部門首席研究員)
昼休憩70 分

セッション1 ARW を知る(承前)

13:10 ~ 13:50 基調講演3:「AI for Science: AI サロゲート、基盤モデル for Scienceから、AGI科学者による科学イノベーションの大幅な躍進」
松岡 聡(理化学研究所計算科学研究センター長)

セッション2 ARW を支える

13:50 ~ 14:20(企業の視点より1):「企業における自動化・自律化ラボラトリーの活用に向けた取組と期待」
青柳 岳司(旭化成(株)デジタル共創本部インフォマティクス推進センタープリンシパルエキスパート)
14:20 ~ 14:50(企業の視点より2):「工場におけるオートメーションと技術」
秋田 裕之(三菱電機(株)インダストリー・モビリティー戦略室技術ユニット長)
松本 直樹(コパンジャパン(株)オートメーション部門ASPAC 営業戦略マネージャー)
14:50 ~ 15:20「知財、法制度の視点から」
生貝 直人(一橋大学大学院法学研究科教授)
15:20 ~ 15:50「ロボットとマルチモーダル大規模言語モデルの融合の視点から」
原田 達也(東京大学先端科学技術研究センター教授)
休憩20 分

セッション3 ARW の可能性と課題

16:10 ~ 17:30 パネルディスカッション
モデレータ
喜連川 優
パネリスト
一杉 太郎、夏目 徹、林 和弘、ほか登壇者
加賀谷 博昭(川崎重工(株)技術開発本部副本部長 兼 システム技術開発センター長)
三枝 信子(日本学術会議第三部会員、オープンサイエンスを推進するデータ基盤とその利活用に関する検討委員会幹事、国立環境研究所地球システム領域長)
中野 美由紀(日本学術会議連携会員、津田塾大学学芸学部教授、情報・システム研究機構非常勤理事)
菅野 智子(東京大学生産技術研究所教授)

クロージング

17:30 閉会の挨拶
菱田 公一(日本学術会議副会長、第三部会員、明治大学研究・知財戦略機構特任教授)
 申し込み方法 参加無料・要申込(令和5年8月30日(水)17時締切)
下記リンク先フォームからお申し込みください。
申し込みフォームへのリンク
 問い合わせ先 公開シンポジウム「研究の自動化とAI が切り拓く科学と社会」事務局
E-mail : rcos-ext[a]nii.ac.jp ([a]を@に変更してください)
備考 主催:日本学術会議オープンサイエンスを推進するデータ基盤とその利活用に関する検討委員会
共催:国立情報学研究所
後援:情報・システム研究機構