公開シンポジウム「陸域システムの持続性研究におけるGLPとディジタル技術の役割」

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告書は、気候変動の影響を緩和し、持続可能な開発目標(SDGs)を達成する上でディジタル技術の活用が不可欠であることを強調している。ディジタル技術の効果的な活用は、気候変動のみならず、生物多様性、食料・エネルギー安全保障等、多くの地球規模課題の解決の鍵を握るといえる。
 FE・WCRP合同分科会GLP小委員会では、Future Earthのコアプロジェクトの一つであるGLP(Global Land Programme; 全球陸域研究計画)に関わる研究の推進と人材育成に関わる活動を行っている。GLPが取り組む陸域システム科学においても、リモートセンシングをはじめとするディジタルデータの効果的な活用に関わる技術開発は、陸域で生じている複雑な環境問題を解決し、持続可能な社会を実現する上できわめて重要である。
 本公開シンポジウムでは、陸域システム科学研究を牽引してきたGLP日本拠点オフィスにおける研究の最新成果、及びディジタル技術を活用した最先端の陸域科学研究を紹介し、データサイエンス及びGLP関連活動における研究アイデアや応用に関する最新情報を共有する。その後、陸域システムの持続可能性向上に向けて、GLPと革新的ディジタル技術がどのように貢献できるかについて議論を深めたい。

イベント概要

開催日時 令和5年9月28日(木)13:30~17:00
開催地 Zoomによるオンライン開催
対象 どなたでもご参加いただけます。
定員 500名
プログラム
13:30 開会挨拶
春山 成子(日本学術会議第三部会員、三重大学名誉教授)
13:35 趣旨説明
大黒 俊哉(日本学術会議連携会員、東京大学大学院農学生命科学研究科教授)

第1部 GLP Nodal Officeにおける研究活動の紹介

13:40 「インドにおける地理空間データを用いた土地劣化モニタリング」
Raveena Raj(北海道大学大学院地球環境科学研究院博士研究員)
13:55 「精密農業に向けた機械・深層学習技術と高精細データの活用」
Xiao Juan(北海道大学大学院地球環境科学研究院博士課程)
14:10 「ヒマラヤにおける土地利用土地被覆の変化を引き起こす人・就業機会・商品間の移動関係:サガルマータ国立公園の例」
Yujie Sun(北海道大学大学院地球環境科学研究院博士研究員)

第2部 ディジタル技術を活用した最先端の陸域科学研究

14:25 「JAXAにおける土地利用・土地被覆研究」
奈佐原 顕郎(筑波大学生命環境系准教授)
14:40 「モンゴルにおける土地利用変化が草原生態系に及ぼす影響評価」
王 勤学(国立環境研究所地域環境研究センター主席研究員)
14:55 「ドローン空撮による植生・土地利用解析への応用」
重松 智穂美(公益財団法人地球環境研究戦略機関(IGES)研究員)
15:10 「航空機LiDAR計測の森林資源・生物多様性保全への応用」
奥田 敏統(広島大学大学院統合生命科学研究科特任教授)
15:25 「生物多様性と森林バイオマスのモニタリング観測におけるディジタル技術の活用と多様なステークホルダーとの協働」
石原 正恵(京都大学フィールド科学教育研究センター准教授)
15:40 「土地利用管理に関連したJICA研修の10年間の経験に基づくGIS、リモートセンシングの役割」
吉村 暢彦(酪農学園大学農食環境学群環境共生学類講師)
15:55~16:10 休憩(15分)

総合討論

16:10
司会:Ram Avtar(北海道大学大学院地球環境科学研究院准教授)
   渡辺 悌二(北海道大学大学院地球環境科学研究院教授)
16:55 閉会挨拶
氷見山 幸夫(日本学術会議連携会員、北海道教育大学名誉教授)
17:00 終了
 申込方法 事前登録制
以下のリンク先URLからお申し込みください。(申込締切:9月25日)
申込フォームへのリンク
 問合せ先 東京大学大学院農学生命科学研究科 大黒俊哉
E-mail: aokuro*mail.ecc.u-tokyo.ac.jp  (送信の際には*を@に変えてください)
備考 主 催:日本学術会議環境学委員会・地球惑星科学委員会合同FE・WCRP合同分科会
後 援:Global Land Programme(GLP)日本拠点オフィス、地理学連携機構