公開シンポジウム「[プラネタリーヘルス研究 市民公開シンポジウム]気候変動・生物多様性損失と人間の健康・社会:学際研究から市民協働実践活動の展開」

 人類の人為的な活動が関連する地球温暖化や生物多様性の損失、その他の環境変化は、人を含む生態系や社会に様々なリスクをもたらしている。気候変動や生物多様性損失のリスクの評価では、個別の事象の影響の評価だけでなく、社会的条件、地域的条件などを考慮した評価も求められる。生物多様性の損失と気候変動の加速により、地球の生態系の動態が大きく変化し、災害抑止力の低下、食糧生産への影響、パンデミックなど感染症リスクの増大、人間の健康への影響がもたらされている。急速に高まる差し迫ったリスクに対処するには、あらゆる場所でカーボンニュートラルを含む多様な手法により直ちに取り組みながら、最善の対処方法を見出していく必要がある。
 人間の健康と地球上のすべての生命を含む地球の生態系に対して人間社会の人為的活動がもたらしてきた影響を分析するとともに、課題を解決する社会実践の展開を重視する超学際的な取組は「プラネタリーヘルス」と呼ばれ、世界各地で多様なステークホルダーが参加している。地球規模の課題であるが、具体的な実践活動の多くは地域単位での展開が不可欠となっており、実践例が蓄積されつつある。
 本シンポジウムでは、まず、気候変動と生物多様性損失に関わる学際的研究の進捗を知り、プラネタリーヘルスにおける環境学を含む分野横断研究の今後の展開について議論を行う。さらに、地球規模の取組と地域社会の実践例に学び、今後のプラネタリーヘルスを推進する展開手法について議論し、持続可能な開発目標の達成に向けた行動目標をたてる。

イベント概要

開催日時 令和5年9月7日(木)9:30~12:00
開催地 ハイブリッド(神戸大学鶴甲第2キャンパス(B202 大講義室)、Zoomミーティング)
対象 どなたでもご参加いただけます。
参加費 無料
プログラム
共同座長:渡辺 知保(日本学術会議連携会員、長崎大学プラネタリー・ヘルス学環長、学院熱帯医学研究科教授、前環境科学会会長)
     中村 桂子(日本学術会議連携会員、東京医科歯科大学大学院国際保健医療事業開発学教授)
9:30-9:35 開会挨拶
那須 民江(日本学術会議連携会員、名古屋大学名誉教授、中部大学客員教授)
9:35-9:45 趣旨説明
渡辺 知保(日本学術会議連携会員、長崎大学プラネタリー・ヘルス学環長、学院熱帯医学研究科教授、前環境科学会会長)
9:45-11:15 講演
「気候変動の健康影響評価とサステナビリティ」
橋爪 真弘(東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授)
「越境大気汚染の健康影響評価とサステナビリティ」
上田 佳代(日本学術会議連携会員、北海道大学大学院医学研究院衛生学教室教授)
「地域スケールの水環境における気候変動の影響と適応の在り方」
小熊 久美子(日本学術会議連携会員、東京大学大学院工学系研究科准教授)
「サステナビリティにかかわる地域連携の取り組み」
竹内 彩乃(東邦大学理学部生命圏環境科学科准教授)
「気候変動ロス&ダメージ、各国における対策」
松田 英美子(環境省地球環境局総務課気候変動適応室室長補佐)
「プラネタリーヘルスにおける日本の役割」
亀山 康子(日本学術会議連携会員、東京大学大学院新領域創成科学研究科サステイナブル社会デザインセンターセンター長・教授
11:15-11:55 パネルディスカッション
原 圭史郎(大阪大学大学院工学研究科教授)、橋爪真弘、上田佳代、小熊久美子、竹内彩乃、松田英美子、亀山康子
11:55-12:00 閉会の挨拶
秋葉 澄伯(日本学術会議連携会員、弘前大学特任教授/鹿児島大学名誉教授)
 申込方法 オンライン参加ご希望の方は以下のフォームからお申し込みください。
オンライン参加申込フォームへのリンク
締切り:9月4日(月) オンライン定員300名
会場参加の方は直接会場におこしください。
 問合せ先 公開シンポジウム[プラネタリーヘルス研究 市民公開シンポジウム]事務局
E-mail: whocc.ith*tmd.ac.jp (送信の際には*を@ に変えてください)
備考 主 催:日本学術会議環境学委員会・健康・生活科学委員会合同環境リスク分科会
共 催:環境科学会/プラネタリーヘルスアライアンス日本ハブ/神戸大学大学院人間発達環境学研究科
後 援:日本WHO協会/日本生命科学アカデミー/日本医療政策機構