公開シンポジウム「品質保証と創薬研究」

 薬学における創薬研究のベースには、医療の再現性を保証するための品質保証があります。ですので、社会のニーズに合致した革新的な医薬品を創出するためにも、薬学の根幹にあるモノの品質保証の考え方が重要です。第24期日本学術会議薬学委員会医療系薬学分科会では、2019年6月~9月に、全国薬学部を対象にアンケート調査「食品・医薬品の品質保証に関する薬学教育の実態調査」を実施しました。その結果、モノの品質保証を担当する分野は、薬理学をも包含する広義の医療系薬学分野であることが明らかになりましたが、現在の薬学教育では「品質の定義」や「品質保証」、「CMC」等に対する教育が十分ではない傾向が見られました。このような背景から、日本学術会議薬学委員会医療系薬学分科会では、報告「品質保証に係るモノからの健康・医療へのアプローチ」を発出しました。このシンポジウムでは、本報告をふまえて、創薬研究に関わる薬理系領域における品質保証の重要性と、これらの分野で貢献できる人材の育成について多角的に議論することを目的とします。

※CMCとは: 医薬品の品質保証を統合的に考える概念で、chemistry, manufacturing and controlの略。、医薬品の設計から製造プロセス、品質評価まで含めて、その情報およびそれらに関連する領域の総称)
※RSとは: 科学技術の進歩によって生み出されたものを、真に人間の利益にかなうよう調整するためのサイエンス。regulatory scienceの略。

イベント概要

開催日時 2022/12/2(金)8:30~9:45
開催地 パシフィコ横浜
対象 どなたでも参加いただけます
定員 100名
プログラム
座長:合田 幸広(日本学術会議連携会員、国立医薬品食品衛生研究所所長)
   関野 祐子(日本学術会議連携会員、東京大学大学院薬学系研究科特任教授、日本薬理学会監事)
趣旨説明
合田 幸広(日本学術会議連携会員、国立医薬品食品衛生研究所所長)
1.報告「品質保証に係るモノからの健康・医療へのアプローチ」について
合田 幸広(日本学術会議連携会員、国立医薬品食品衛生研究所所長)
2.品質保証と薬理学教育
黒川 洵子(日本学術会議連携会員、静岡県立大学薬学部教授、日本薬理学会理事)
3.品質保証と創薬開発
吉永 貴志(エーザイ株式会社、高度バイオシグナル安全性評価部部長)
4.アカデミアにおけるRS人材の育成 ~大阪大学を例に~
堤 康央(日本学術会議連携会員、大阪大学大学院薬学研究科教授)
総合討論
司会:関野 祐子(日本学術会議連携会員、東京大学大学院薬学系研究科特任教授、日本薬理学会監事)
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お申し込みいただいた方に、詳しい参加方法をお知らせいたします。
 問い合わせ kendaibip*u-shizuoka-ken.ac.jp
(*を@に変更してください)
備考 主催:日本学術会議薬学委員会医療系薬学分科会、公益社団法人日本薬理学会