公開シンポジウム「微生物や微生物菌叢への革新的機能付与・機能制御の新展開」

 近年、微生物菌叢の集団形成や社会性に関する理解が飛躍的に進み、菌叢の機能創発や制御による応用展開が可能になりつつある。例えば、環境微生物菌叢の機能創発や制御による様々な物質の分解や再利用、食糧増産への展開、あるいは生態系の維持が進められようとしている。また、我々の腸内細菌叢に関する知見も飛躍的に深まっており、その制御による健康増進や癌等の疾患治療の可能性が高まっている。一方、合成バイオ×デジタル×ロボティクス技術を活用することで、革新的な新機能を持った微生物を創製することが迅速にできるようになってきている。人工的な酵素遺伝子を導入した人工代謝経路を実装した微生物により様々な物質生産が可能となりつつあり、従来微生物が作りえないと考えられていたような化合物の合成も可能になりつつある。さらには、菌叢の機能創発がレアメタル資源回収やリサイクルに役立ち、半導体結晶合成も期待される。このように、微生物への革新的な新機能付与や菌叢の機能創発・制御により、SDGs達成に向けた様々な社会課題解決の可能性が高まっている。本講演会では、こうした点に関しての現状や将来展望に関して、日本を代表する6名の研究者に講演をいただく。

イベント概要

開催日時 2022/8/18(木)13:00 ~ 16:35
開催地 オンライン配信
対象 どなたでも
プログラム
13:00~13:20
開会の挨拶 稲垣 賢二(日本学術会議連携会員、岡山大学特任教授)
来賓挨拶 松山 旭(公益社団法人日本農芸化学会会長、キッコーマン株式会社取締役常務執行役員)
本シンポジウムの趣旨説明 近藤 昭彦(日本学術会議連携会員、神戸大学副学長)
13:20~13:45
講演「腸内環境の制御による新たな疾患予防・治療基盤技術の創出」
   福田 真嗣(慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授)
座長:近藤 昭彦(日本学術会議連携会員、神戸大学副学長)
13:45~14:10
講演「微生物は集団になり社会性を創発する~微生物も群れて会話する~」
   野村 暢彦(筑波大学生命環境系教授)
座長:西山 真(日本学術会議連携会員、東京大学教授)
14:10~14:35
講演「細菌でレアメタルを集める!」
   岡村 好子(日本学術会議連携会員、広島大学教授)
座長:古園 さおり(東京大学准教授)
14:35~14:45
休憩
14:45~15:10
講演「H'OME~身近な微生物と共に生きるための古くて新しい住まい方」
   藤吉 奏(広島大学IDEC国際連携機構助教)
座長:岡村 好子(日本学術会議連携会員、広島大学教授)
15:10~15:35
講演「合成生物学×ポリマー科学=GX ~カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet®の挑戦~」
   佐藤 俊輔((株)カネカ アグリバイオ&サプリメント研究所研究グループリーダー)
座長:竹山 春子(早稲田大学教授)
15:35~16:00
講演「Bio Revolution:バイオ・デジタル・ロボティクス融合のインパクト」
   近藤 昭彦(日本学術会議連携会員、神戸大学副学長)
座長:油谷 幸代(産総研生命工学領域研究企画室室長)
16:00~16:30
パネルディスカッション「これからの応用微生物学」
進行:近藤 昭彦(日本学術会議連携会員、神戸大学副学長)
パネリスト:福田 真嗣、野村 暢彦、岡村 好子、藤吉 奏、佐藤 俊輔、竹山 春子、古園さおり、油谷 幸代
16:30~16:35
閉会の挨拶
岡村 好子(日本学術会議連携会員、広島大学教授)
 申込み 参加費無料・要事前申込
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申し込みフォームへのリンク
 問い合わせ 日本学術会議農芸化学分科会シンポジウム事務局
E mail umanis*g.ecc.u-tokyo.ac.jp(送信の際は*を@に変更してください。)
備考 主催:本学術会議食料科学委員会・農学委員会合同農芸化学分科会