公開シンポジウム「コロナ禍での感覚器障害のリスク」

 新型コロナウイルス感染症の流行により、嗅覚、味覚、視覚をはじめとする感覚器障害のリスクが高まっている。その要因は次の3つに大別される。一つは、新型コロナウイルス感染症により、感覚器が直接的に障害されるリスクである。新型コロナウイルス感染症の症状として、先行して急性の嗅覚障害や味覚障害を自覚することがある。一方で、臭いや味が分からなくなる病気のほとんどが、新型コロナウイルス感染症とは無関係であることも事実である。本講演会では、嗅覚障害や味覚障害を自覚した場合の適切な対応を中心に紹介したい。二つめは、感染を恐れるあまり、受診控えによって感覚器疾患が重症化するリスクである。感覚器には適切な経過観察や継続した治療を受けなければ回復不可能となる重大な疾患も多く存在する。本講演会では、眼科での実例に基づき、患者の自己判断の危険性について啓発したい。三つめは、外出自粛生活により、屋内で過ごす機会が増え、リモートワーク、リモート学習が急速に普及したことによる影響である。特に環境変化に対する感受性の高い小児の視覚障害が問題になっている。自粛生活で酷使しがちな目を守るために必要なことを紹介したい。Withコロナの時代において人々の社会生活や日常生活に深くかかわる感覚器の重要性を啓発し、その健康を維持・増進するための適切な情報を提供することで、社会貢献を果たしたいと考えている。

イベント概要

日時 2022/1/25(火)14:30~17:00
開催地 オンライン開催
対象 どなたでも参加いただけます。
定員 500名
プログラム
座長
寺﨑 浩子(日本学術会議第二部会員、名古屋大学未来社会創造機構特任教授)
山岨 達也(日本学術会議第二部連携会員、東京大学耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野教授)
開会挨拶
村上 信五(名古屋市立大学特任教授、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会理事長)
1 コロナで起こる嗅覚障害
演者 森 恵莉(東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室講師)
2 コロナで起こる味覚障害
演者 任 智美(兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室講師)
3 コロナ禍で再考 ー自己判断による眼疾患の重症化ー
演者 外園 千恵(日本学術会議第二部連携会員、京都府立医科大学眼科学教室教授)
4 コロナ禍で変わる日常、子どもの目をどう守るか?
演者 仁科 幸子(国立成育医療研究センター眼科診療部長)
閉会挨拶
大鹿 哲郎(筑波大学医学医療系眼科教授、日本眼科学会理事長)
 申込み 以下のページのリンク先より参加登録をしてください。
参加申し込みページへのリンク
 申し込み期限 2022年1月17日(月)
※但し、定員に達した段階で締め切らせていただきます。事前参加登録のない方の視聴はできませんので、ご了承ください。
 問い合わせ 市民公開講座「 コロナ禍での感覚器障害のリスク」 運営事務局
E-mail:office*jibika.or.jp(*を@に変更)
備考 主 催:日本学術会議臨床医学委員会感覚器分科会
共 催: 公益財団法人日本眼科学会、一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会