公開シンポジウム「With/After コロナ時代におけるケアの課題と新たな取り組み―子育てをしながら働き、働きながら暮らすための地域共生社会」
少子高齢人口減少社会が急速に進む日本では、これまでの制度や単一の学問の力では解決困難な複雑な問題が急増している。また、地域においては、相互に支え合う機能が脆弱化し、新たな問題に対して地域の力を発揮することにも限界が見られている。さらに、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが追い打ちをかけ、医療崩壊や介護崩壊など、様々な機能崩壊が現実の課題として突き付けられている。こうした状況においては、互いに支え合う<ケア>が重要な意味をもつであろう。 我々が提案する「ケアサイエンス」とは、ケアに関わる複雑な問題の根拠を解明するだけでなく、多学問分野および問題に関係する市民、行政、企業等と連携・協働して、〈新しいケア〉のあり方を模索し、共に作り上げていくことを意味する。その中で科学者の地域貢献に関する役割を可視化する。この取り組みによって、「相互支援=ケア」を基盤にもつ「地域共生社会」を構築し、持続可能な地域社会と健康で豊かな生活の実現をめざす。 本シンポジウムは、コロナ禍において脆弱で喫緊の対策が必要な領域の、ケアに関わる先駆的な多分野共同研究および課題への具体的な取り組みをシリーズで紹介し、ケアサイエンスという新しい学問的見地から、直面している問題の核心を探り、関連する学問分野がより効果的に連携・協働できる提案や見解を見出すことを目的とする。 シリーズ企画の第2弾では、新型コロナウイルス感染症の拡大抑制下における妊娠・出産・育児、暮らしと住まい、働き方の変化に焦点を当てた話題提供を行う。具体的には、①助産師と当事者の立場からみた妊娠、出産、育児期にある女性と家族への支援、およびその形の変化、②建築の専門家が再考する、暮らしはイエに完結せず、ケアとも分かちがたいという視点からみた住まい、③労働経済学の視点から検討する、在宅勤務等の増加と子どものいる世帯員の幸福度、について報告する。また、若手アカデミー地域活性化に向けた社会連携分科会メンバーが総合討論に参加し、若手科学者の課題意識と分科会における取り組みを踏まえ討論を深める。 多くの参加者の皆様と課題を共有し、より現実的な提案となるよう議論したい。
イベント概要
日時 | 2021/12/11(土)13:30~16:00 |
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開催地 | オンライン(Zoom)とオンデマンド(YouTube) |
対象 | どなたでも参加いただけます。 |
定員 | 約1000名(事前申し込み:先着順) |
参加費 | 無料 |
プログラム |
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申込み | 参加費無料以下のページのリンク先より事前に参加登録をしてください。 参加申し込みページへのリンク 申込締切:令和3年12月6日(月)10時まで |
お問い合わせ先 | 西村 ユミ(東京都立大学) メールアドレス:yumin(a)tmu.ac.jp (a)を@に変更してください。 |
備考 | 主催:日本学術会議健康・生活科学委員会・臨床医学委員会合同少子高齢社会におけるケアサイエンス分科会、健康・生活科学委員会看護学分科会、経済学委員会ワークライフバランス研究分科会、若手アカデミー 共催:一般社団法人日本看護系学会協議会 後援:一般社団法人日本助産学会、公益社団法人日本看護科学学会 |