公開シンポジウム「地球と生命をつなぐ高度な化学物質ネットワーク‐天然物化学再考‐」

 天然物化学は、生命現象のキーとなる天然物・生理活性物質を見つける学問分野です。また、見つけた天然物の作用機構を知り、有機合成をして大量に供給して、社会の問題解決に応用するというのが最終目標です。この天然物化学領域の良い成功例がノーベル賞を授賞された大村先生の仕事ですが、天然物化学研究はリスクとともに労力と時間がかかることもあり、昨今、取り組む研究者の数も減り、その重要性が学術領域で忘れられかけています。本シンポジウムでは、複雑な化学ネットワークで構成されている地球と生命という大きな枠組みの中で、健康・微生物・地球環境・生態系をキーワードにSDGsなど社会の課題とリンクさせ、最先端の技術を駆使して研究をされている先生方にご講演いただきます。オミクス解析に代表されるデータ駆動型の研究戦略から見えてきた「新しい地図」に基づいて再びピンポイントで物質「もの」を追いかける、AI/IoT時代に協調した新しい天然物化学のあり方を浮き彫りにします。

イベント概要

日時 2021/12/8(水)13:00-16:30
開催地 オンライン開催
対象 どなたでも参加いただけます(事前登録要)
定員 1000名
参加費 無料
プログラム
13:00~13:05 来賓挨拶
松山 旭(日本農芸化学会会長)
13:05~13:15 本シンポジウムの趣旨説明
東原 和成(日本学術会議連携会員、東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
13:15~13:55 講演「リピドミクス新技術と脂質多様性(リポクオリティ)の生物学:健康と天然物」
有田 誠(慶應義塾大学薬学部教授、理化学研究所メタボローム研究チームリーダ)
座長:東原 和成(日本学術会議連携会員、東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
13:55~14:35 講演「シングルセル解析から切り込む生体分子動態:微生物と天然物」
竹山 春子(早稲田大学大学院先進理工研究科教授)
座長:千葉 一裕(日本学術会議連携会員、東京農工大学学長)
14:35~15:15 講演「海洋生物の付着防止技術研究の展開: 地球環境と天然物」
沖野 龍文(北海道大学地球環境科学研究院教授)
座長:山下 まり(日本学術会議連携会員、東北大学大学院農学研究科教授)
15:15~15:55 講演「生物間の複雑化学ネットワークと共進化:生態系と天然物」
東樹 宏和(京大生態学研究センター准教授)
座長:吉永 直子(日本学術会議連携会員、京都大学大学院農学研究科助教)
15:55~16:25 パネルディスカッション「これからの天然物化学」
進行:東原 和成(日本学術会議連携会員、東京大学大学院農学研究科教授)
16:25~16:30 閉会の挨拶
山下 まり(日本学術会議連携会員、東北大学大学院農学研究科教授)
 申込み 以下のページのリンク先より事前参加申込みをお願いいたします。
参加申し込みページへのリンク
 問合せ 日本学術会議農芸化学分科会シンポジウム事務局
メールアドレス: biol_chem*sense.ch.a.u-tokyo.ac.jp (*を@に変更)
備考 主催:日本学術会議 農学委員会・食料科学委員会合同 農芸化学分科会
後援:日本農芸化学会、日本農薬学会、日本薬学会、日本化学会、日本ケミカルバイオロジー学会、日本応用動物昆虫学会、マリンバイオテクノロジー学会、日本土壌微生物学会