人間活動の増大による地球規模での気候や環境の変動が我々の社会に大きな影響を与えている。降雪・降雨に始まる地表や地下の水、海洋の水は人間を含むすべての生物の命を育み、社会の礎として我々の生活や経済的活動などを支えてきた。一方で、文明の黎明期以来の絶え間ない人間活動によって現実の水循環は自然の姿からは大きくかけ離れ、自然と人間との関係に様々なコンフリクト(衝突)も生み出してきた。さらなる人口増加や経済発展と気候変動が想定される将来における十分な量と良好な水質を有した水の供給の確保は、私たちが解決すべき今世紀の最重要課題(挑戦)の一つである。これからの水問題への対処にむけて、水循環の調査・観察や素過程の解明は極めて重要であり、自然科学的な視点に加えて社会科学的なアプローチも含んだ水利用の計画・管理・保全についての研究の充実が求められる。本シンポジウムでは多様な学問領域を俯瞰し、様々な地域における人間活動の中で変容する「水」と「水循環」研究の最前線を紹介し、分野横断・多分野協創研究の現状を示し未来へ向けたさらなる発展を展望したい。
イベント概要
日時 |
2021年 9月18日(土)13:00-17:00 |
開催地 |
オンライン開催 |
対象 |
どなたでも参加いただけます |
定員 |
250名 |
参加費 |
無料 |
プログラム |
- 総合司会
- 小森 大輔(日本学術会議連携会員、東北大学大学院工学系准教授)
- 13:00 開会挨拶
- 近藤 昭彦(日本学術会議連携会員、千葉大学環境リモートセンシングセンター教授、水文・水資源学会会長、日本水文科学会会長)
- 13:05 趣旨説明
- 谷口 真人(日本学術会議連携会員、大学共同利用機関法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所副所長・教授)
- 基調講演
- 13:10 「水循環研究の最前線」
- 沖 大幹(日本学術会議第三部会員、東京大学大学院工学系研究科教授)
- 第一部
- 13:35 「1.人新世における生存基盤としての水とその連環」
- 谷口 真人(日本学術会議連携会員、大学共同利用機関法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所副所長・教授)
- 13:50 「2.陸域から海域への水・物質供給とその変化」
- 張 勁(日本学術会議連携会員、富山大学学術研究部理学系教授)
- 14:05 「3.水循環と土砂動態を統合する環境防災学の視座」
- 竹門 康弘(京都大学防災研究所水資源環境研究センター准教授)
- 14:20 「4.水・エネルギー・食料ネクサス:グローバルとローカルを繋ぐ」
- 和田 義英(国際応用システム分析研究所生物多様性と自然資源プログラム長)
- 14:35 休憩
- 第二部
- 14:45 「5.里沼を考える―印旛沼の事例から」
- 近藤 昭彦(日本学術会議連携会員、千葉大学環境リモートセンシングセンター教授、水文・水資源学会会長、日本水文科学会会長)
- 15:00 「6.持続可能な森林管理と流域の水資源利用にむけて」
- 戸田 浩人(東京農工大学農学研究院自然環境保全学部門教授)
- 15:15 「7. 地下水ガバナンスの研究動向」
- 千葉 知世(大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科准教授)
- 15:30 「8.湧き水と生物文化多様性ー琉球弧の事例から」
- 高橋 そよ(琉球大学人文社会学部琉球アジア文化学科准教授)
- 15:45 「9.市民協働による地下水調査とその活用」
- 杉田 文(日本学術会議連携会員、千葉商科大学商経学部教授)
- 16:00 休憩
- 16:10 総合討論
- 司会:寶 馨(日本学術会議連携会員、京都大学大学院総合生存学館教授)
- 登壇者:講演者全員
- コメンテータ:山下 洋(京都大学フィールド科学教育研究センター森里海連環学教育研究ユニット特任教授)
- 16:50 閉会挨拶
- 鈴木 康弘(日本学術会議連携会員、名古屋大学減災連携研究センター教授)
- 17:00 閉会
- 公開シンポジウム・コーディネーター:杉田 文、張 勁、谷口 真人
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申込み |
以下のページのリンク先よりお申込み下さい。
参加申し込みページへのリンク |
問合せ先 |
杉田 文(千葉商科大学)
Email:fsugita*cuc.ac.jp(*を@に変更)
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備考 |
主催:日本学術会議地球惑星科学委員会地球・人間圏分科会
共催:日本学術会議地球惑星科学委員会IUGG分科会IAHS小委員会、水文・水資源学会、日本水文科学会
後援:JpGU大気水圏科学セクション、日本地下水学会、IAH Japan、総合地球環境学研究所、地理学連携機構
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