公開シンポジウム「身体・社会・感染症―哲学・倫理学・宗教研究はパンデミックをどう考えるか―」
イタリアの作家パオロ・ジョルダーノは次のように書いている。
「すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか」。
コロナウイルスが第一に蝕むのは我々の身体だが、それを通じて、社会も大きく蝕まれる。今回のパンデミックは、新自由主義とグローバリズムの限界を露呈したと言われている。また、我々の社会が抱える根本的な不正義と脆弱性も露わになってきた。身体をもって社会に住まう我々という存在のすべてのレベルにコロナウイルスは影響を与えた。パンデミックについて、人間とは何かを問い続けてきた哲学・思想は何を語りうるのかが問われている。
また、パンデミックの「終息」と経済・社会・教育活動の「再開」という言説は、「もとにもどる」のが望ましいのだという前提を隠しもっている。それでいいのか。もとにもどることを期待するのではなく、パンデミック後(あるいは永遠に続くパンデミック中)の生き方と社会のあり方はどのようなものであるべきかをあらためて考えること、それこそが思想・哲学がなすべきことである。
パンデミックにともなって生じたさまざまな問題のうち、既存の哲学的枠組みで掬い取れるものを扱う、というやり方ではなく、哲学思想研究のやり方や枠組みじたいを変えていく必要もあるかもしれない。本シンポジウムを「パンデミック後の世界」の理念をともに構想する第一歩としたい。
当日の動画はこちらのページにあるリンク先からご覧いただけます
イベント概要
日時 | 令和 2年12月 5日(土) 13:30~17:00 |
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開催地 | インターネット上でのオンライン開催 |
対象 | どなたでも参加いただけます |
定員 | |
プログラム |
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申込み | ※定員に達したので参加申込受付は締め切りました |
問い合わせ | 日本宗教研究諸学会連合事務局 メールアドレス: jfssr20084(a)gmail.com ※(a)を@にしてお送りください。 |
備考 | 主催:日本学術会議哲学委員会 共催:日本哲学系諸学会連合、日本宗教研究諸学会連合 |