学習と記憶
日本学術会議・おもしろ情報館目次へ
1.記憶ってなに?
ゆうきたまたま流れてきた音楽を聞いて「知ってる曲だ」と思ったとしたら、その曲を前にも聞いたことがあるってことだよね。でも、前に聞いていたのに忘れちゃってることもある。記憶っていったいなんなのかな?

「記憶」というのは、実に不思議でおもしろいものじゃ。そこでひとつ例を挙げてみようかの。ペンフィールドというカナダの脳外科医が昔、治療中に不思議なことを見つけたんじゃ。そのときに、記憶の謎についてのヒントが見つかったようじゃぞ。

●●● ペンフィールドの不思議な報告 ●●●
 ペンフィールド博士は、患者の頭がい骨を開けて手術をしました。手術中に脳の大切な場所を切ってしまうと大変です。そこで、患者が目覚めたままで話ができるような麻酔(ますい)をかけ、電気刺激で場所を確認しながら手術を進めました。
 このとき不思議なことが起こりました。脳の一部に電気刺激を与えると、患者が「聴いたことのない音楽が聴こえてくる」と言ったのです。
 脳の中にある記憶のファイルを電気で刺激することによって、音楽(患者が昔聴いていて忘れていた曲)の情報がよみがえったのです。
 この「実験」から、記憶は脳の中にファイルされるということと、電気刺激と記憶(脳の活動)に何か強い関連があるということがわかりました。



Copyright 2001-2002 SCIENCE COUNCIL OF JAPAN