ゲノムについて
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3.ゲノムの基礎知識2
ゆうきこの間の博士の話だと、ゲノムがお父さんとお母さんから伝わって僕のゲノムになるってことはわかったけど、どんな働きをしているのかが良くわからないよね。
ゲノムを見たことはないし、みんなもそうだよね。
だからさ、また博士のところに行って、そこんところを聞いてみるんだ。

ゆうき
「こんにちは博士。この間僕の体の中にはゆうきゲノムがあるって教えてくれたよね。 でもさ、どんな働きをするものなのかわからないんだよね。 博士は見たことあるの。」
おもしろ博士 「そうじゃの。わしも見たことはない。でもな、ゆうき君もわしも生きておる。これはゲノムが体の中で働いてくれているおかげなんじゃ。わかるかの。」
ゆうき 「僕が生きてるのも、博士が生きてるのもゲノムが働いているからなんだね。ワンワンでも、蝶でもえんどう豆でもみんなゲノムが働いているから生きている。でも、どうしてなのかやっぱり不思議だよね。 」
ワンワン 「ワンワンもゲノムで生きているのだ。」
ゆうき 「でも、博士のように教えてくれると、ボクも興味が湧くんだよ。」
ワンワン 「ワンワンも興味があるのだ。」
おもしろ博士 「ゆうき君やワンワンだけじゃない。この間はなしたメンデルさんも、えらい、えらい生物学の先生も、もちろんわしもその秘密を知りたいと研究を続けておるのじゃ。そこで世界中の学者が集まって、ゲノムの働きを全て明らかにしようと、10年ほど前から始まったのがヒトゲノム解読計画じゃ。
アポロ計画に匹敵する壮大な計画といわれておる。」
ゆうき 「<アポロ計画>は知ってるよ。テレビで見たことがある。 月まで宇宙船が飛んでいって、人間が着陸したんでしょ。 すごいよね。ボクも行ってみたい。」
おもしろ博士 「よし、じゃあこのメガネをかけてごらん。」
ゆうき 「また、博士が発明したの?」
おもしろ博士 「 そうじゃ。このメガネはどんな場所でも自由にのぞくことができる。 宇宙の果てから海の中。ゆうき君の体の中や、どんな小さな細胞の中でも見ることができるんじゃ。さあ、パワーをONにしてこのリモコンで操作するんじゃ。 さあ、回すぞ。どうじゃ見えるか。」
ゆうき 「うん。うん。月に近づいていく。わあっ、何もないね。岩とほこりみたいな砂と。とにかく誰もいないよ。」
おもしろ博士 「それじゃあ、地球の方を見てごらん。」
ゆうき 「うわー。これが地球か。青くてとてもきれいだ。生きてるみたい。」
おもしろ博士 「そうじゃろ。果てしない黒い宇宙にぽっかりと浮いた青い星。この月から見た地球の写真は、地球が生命の星であるという感動、そして地球は一つ、かけがえのないもであることを教えてくれたんじゃ。地球環境問題を考える大きなきっかけにもなったんじゃ。アポロ計画が生んだもっとも偉大な成果といえるの。」
ゆうき 「そうするとヒトゲノム解読計画でも月から見た地球の写真みたいにみんなを感動させるようなことがわかるのかな。」
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