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「ほう、これは、かわいい犬じゃな。」 |
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「あたしの友達から旅行中だけ預かっているのよ。
不思議な犬で、人間の言葉がわかるの。」 |
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「ほう、それはすごい犬じゃな。
よろしく!」 |
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「ねえ、なんて呼べばいい?」 |
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「それが「ワンワン」って名前なの。」 |
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「なんじゃ、そのまんまじゃな。
はははっ。よろしくっ、ワンワン。」 |
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「、、、、、。」 |
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「そういえば、前から思っていたんだけど、博士とチコさんはあんまり似ていないよね。」 |
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「いやだわ!似ていたら。」 |
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「おい姉さん、そういう言い方はないだろう。 しかし、よいところに気がつくの、ゆうきくん。実はそれは遺伝と関係しているのじゃよ。」 |
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「遺伝?」 |
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「ふむ、世の中を見てごらん。イヌはイヌ、ライオンはライオン、桜は桜、蝶は蝶。そして、みんな親と似ている。」 |
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「うん、ぼくもお母さんと似てるって言われるよ。」 |
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「それを遺伝というんじゃ。その遺伝のもとになるのが実はゲノムなんじゃよ。」 |
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「ゲノムっていうのはこの間いってたヒトゲノムのゲノムのこと」 |
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「そうじゃ人の場合はヒトゲノム、蝶の場合は蝶ゲノムじゃ。わかるかな?」 |
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「えーっ、ゲノムってなんなの?」 |
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「例えば、蝶ゲノムには、蝶が蝶として生きるために必要な情報が全て含まれているんじゃ。」 |
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「生きていくために必要な情報全てがゲノムなのか。」 |
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「そうじゃ。この間、髪の毛のちがいの話をしたじゃろう。その髪の毛の色とか、顔の形とかを決めているのは遺伝子なんじゃよ。
ゆうきくんの体も、たくさんの遺伝子が働いてできあがったものじゃ。その遺伝子全てを集めたものをゲノムと呼ぶのじゃ」 |
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「ゲノムは遺伝子の集まりで、遺伝のもとになるということになるのかな」 |