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「ここが、卵の村、そっちに行くと順番に幼虫の村、さなぎの村、そして成虫の村と分かれていますよ」 |
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「どれどれ。ほれ、ゆうき君よーく見てごらん。例えばな、蝶は、決まった順番で、こんなにも形を変えながら成長していくだろう。これは、ゲノムのしわざなんじゃよ。」 |
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「じゃあ、この蝶の幼虫とさなぎのゲノムっていうのはちがうの?」 |
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「いや、蝶の世界では、どんな成長段階でもゲノムが変化していくことはないよ!同じゲノムが働いて、まったく違う形を作っているんだ。例えば、幼虫とさなぎの時の違いっていうのは、同じゲノムのうち、どの情報が働いているのかが違うだけなんだ。」 |
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「そう。人間でも同じじゃ。赤ちゃんのときのゆうき君も、大人になったゆうき君も、いまのゆうき君と同じゲノムを持っている。ただ、ゲノムがいろいろな命令を出しているからゆうき君は赤ちゃんのときと違うんじゃ。」 |
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「へー不思議。魔法みたいだね。」 |
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「そう。つまり、ゲノムは、生命をコントロールする魔法のような不思議な仕組みなんじゃ。」 |
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