学習と記憶
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(3)心の黒板
お誕生日会の計画を立てるっていうときは、
どこで考えているの?
「前頭連合野」という部分が黒板のような働きをして、計画を練ったりするんじゃ。
 「人の脳」と呼ばれる大脳皮質には、「前頭連合野(ぜんとうれんごうや)」という部分があります。
 前頭連合野は、脳のあちこちにファイルされている情報をかき集めて、一時的に保存することができます。そして集めた情報を組み合わせたり、ばらばらにしたりして、「これからどうするか」といったことを検討する場所です。その働きがまるで「黒板」にいろいろな情報を書き並べて作業しているようなので、「心の黒板」とも呼ばれています。
 前頭連合野は、自分の意志で何かを計画し、それを行うためのプランを立て、成功するために動き、反省もするという「脳の最高司令官」とでも言える重要な場所です。

前頭連合野が行う記憶についてもっと教えて!
「ワーキングメモリー」という記憶によって、人間はほかの動物とは違うことを考えられるんじゃ。
 前頭連合野が行う、「心の黒板」のような働きを「ワーキングメモリー」といいます。
「ワーキングメモリー」は、記憶の一種ですが、人間の自意識につながるような、脳の情報処理のもっとも高度な働きともいえます。
 いろいろな情報を組み立てて、問題を解決するときに「ワーキングメモリー」は威力(いりょく)を発揮します。
 そのような意味で、「ワーキングメモリー」こそ、もっとも人間特有の記憶といえ るかもしれません。
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