ゲノムについて
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おもしろ博士
「そうじゃよ、よくわかるの。ゆうきくんの体のもとになった遺伝子を全部あわせたものが、ゆうきくんのゲノムの中に入っておるのじゃ。
ゆうきくんはゆうきくんゲノム
わしおもしろ博士ゲノム
チコ姉さんは、チコゲノムをもっている。
その中に、お母さんと似ているところや、お父さんに似ているところが含まれているんじゃ。 それに、おじいちゃんやおばあちゃんに似ているところもあるし、ずーっと昔のご先祖様や、もっともっと昔のご先祖様とも原始人とも似ているところがあるんじゃよ」
ゆうき 「お侍さんや原始人みたいなご先祖様と似てるのか」
おもしろ博士 「なにしろ、代代、ゲノムが伝わってきたんじゃからな。ゆうき君がゆうき君でいられるのはゲノムのおかげ。大変ありがたいものなんじゃよ。」
ワンワン 「それを見つけたのがエンドウ豆で有名なメンデルさんだよ。100年以上も昔、1865年にみつけたことなんだ。」
おもしろ博士 「おおうっ、いきなり話すとはの。」
チコ 「言ったじゃない、人間の言葉がわかるって。」
おもしろ博士 「でも、ワンワンの言うとおり。メンデルさんの研究が今のゲノム研究の基礎になっているんじゃ。
メンデルさんはオランダの修道院に勤めるキリスト教の牧師さんじゃった。とても生き物がすきで生物の学者をめざしたんじゃが勉強はあまり得意ではなかったらしい。大事な生物学の試験は不合格じゃったそうじゃ。
その落第生のメンデルさんが生物学の歴史に残る大発見をしたんじゃからわからんもんじゃ。」
おもしろ博士 「メンデルさんは修道院の庭に咲くエンドウ豆の花に目をつけた。なぜ、いろんな色があるのか。育ててみると、親に似たり似なかったりするんじゃな。ここにどんな魔法があるのか。 何度も何度もえんどう豆を育てては、花の色をノートに書いて研究を続けた。
そしてメンデルの法則という魔法の答えを見つけ出した。メンデルさんはいろんな言葉を使っていたが、今で言えば遺伝子とゲノムの関係を見つけ出したことになったということになる。」
チコ 「そういえば、お店の裏庭にできたエンドウ豆の花持ってきたわよ。」
おもしろ博士 「相変わらず、チコ姉さんは、勘がいい。」
チコ 「これも遺伝よね。」
ゆうき 「ねえねえ、花の色が違うよ!同じ花なのに、赤と白があるんだ」
チコ 「親は赤い花なんだけど。子どもは赤だけじゃなく白い花も咲くのよ。不思議でしょ。」
ゆうき 「エー、親と同じにならないの。」
おもしろ博士 「赤い花の親からどうして白い花の子どもが生まれるのか。それがメンデルさんの見つけたゲノムの魔法じゃ。」
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